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「茶屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
二 僕等は金《かね》の工面《くめん》をしてはカッフェやお茶屋へ出入した。彼は僕よりも三割がた雄《おす》の特性を具えていた。ある粉雪《こな....
片恋」より 著者:芥川竜之介
》しいが、そう云った。主人役がもう年配でね。僕は始から、叔父さんにつれられて、お茶屋へ上ったと云う格だったんだ。 すると、その臂と云うんで、またどっと来たじゃ....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
きわ》め出しました。「青ペン」と言うのは亜鉛《とたん》屋根に青ペンキを塗った達磨茶屋《だるまぢゃや》です。当時は今ほど東京風にならず、軒《のき》には糸瓜《へちま....
老年」より 著者:芥川竜之介
ふさ》さんと云って、一昨年、本卦返《ほんけがえ》りをした老人である。十五の年から茶屋酒の味をおぼえて、二十五の前厄《まえやく》には、金瓶大黒《きんぺいだいこく》....
少年」より 著者:芥川竜之介
の悲しい神秘を感じさせたのは事実である。彼は海へ張り出した葭簾張《よしずば》りの茶屋の手すりにいつまでも海を眺めつづけた。海は白じろと赫《かがや》いた帆かけ船を....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
まえて見りゃ何のことはない。ただそのながらみ取りと夫婦約束をしていたこの町の達磨茶屋《だるまぢゃや》の女だったんです。それでも一時は火が燃えるの人を呼ぶ声が聞え....
或る女」より 著者:有島武郎
れ合って人気《ひとけ》のないその橋の上まで来てしまった。 橋の手前の小さな掛け茶屋には主人の婆《ばあ》さんが葭《よし》で囲った薄暗い小部屋《こべや》の中で、こ....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
はない)という水売が名高かった。これは「ひやっこい/\」の水売で、処々にあった水茶屋というのは別なもの、今の待合です。また貸席を兼ねたものです。当時水茶屋で名高....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
手踊ったり、唄ったり、と同じ格で、ものは違っても家業の愛想――盛場の吉原にさえ、茶屋小屋のおかっぱお莨盆に飴を売って、爺やあっち、婆やこっち、おんじゃらこっちり....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
れまで居るものか。」 「僕はむしろ妾に与する。」 三崎座の幟がのどかに揺れて、茶屋の軒のつくり桜が野中に返咲きの霞を視せた。おもては静かだが、場は大入らしい、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の近郷近在からも大へんな人出で、あの狭い海岸が身動きのできぬ有様じゃ。往来には掛茶屋やら、屋台店やらが大分できて居る……。が、それは地上の人間界のことで、こちら....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
堂の傍で耳の垢取りをやろうというので、道具などを作った話もあります。本郷玉川の水茶屋をしていた鵜飼三二さんなどもこの仲間で、玉川の三二さんは、活きた字引といわれ....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
意にしたのは正に滝田君に違いなかった。しかし僕はどういう訳か、未だ嘗て滝田君とお茶屋へ行ったことは一度もなかった。滝田君は恐らくは僕などは話せぬ人間と思っていた....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
、一本五貫ずつにしましても十二両、十貫にすりゃ二十一両の仕事ですもの。どうも、お茶屋さんは、えらいですよ。』 漁『そう当っては、素人釣とは言われないね。立派な本....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ね。」 「それは太鼓橋ばかりじゃないかも知れない。」 僕等はのれんをかけた掛け茶屋越しにどんより水光りのする池を見ながら、やっと短い花房を垂らした藤棚の下を歩....