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「茶屋酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶屋酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老年」より 著者:芥川竜之介
ふさ》さんと云って、一昨年、本卦返《ほんけがえ》りをした老人である。十五の年から茶屋酒の味をおぼえて、二十五の前厄《まえやく》には、金瓶大黒《きんぺいだいこく》....
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の初めのような真面目《まじめ》さがなくなって、持って来た幾許《いくら》かの金で、茶屋酒を飲んだり、女に耽《ふけ》ったりして、金に詰って来たために、もと居た店の物....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
せている美しいお小姓に向って、左右から二人の女が威嚇し、叱り、すかしつつ、呑めぬ茶屋酒を無理強いに強いつつあったからでした。ひとりの裲襠《うちかけ》姿であるのを....
」より 著者:岡本かの子
た。晩酌の膳の前に子供を坐らせて酒の対手をさしてみたり、玉突きに連れて行ったり、茶屋酒も飲ませた。 その間に家はだんだん潰れて行く。父親は美しい息子が紺飛白の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
は許される、諸商い物を買い求めたり小屋物等を見物したりすることも許される、しかし茶屋酒楼等へひそかに越すことは許されない。夜分の外出は差し留められる事、宮方へ行....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
方へ心を誘われて行くようである。一家をあげて東京から郷里へ引き揚げて来てからも、茶屋酒の味の忘れられないその旦那に変わりはない。ふつつかな彼女のようなものでも旦....
足迹」より 著者:徳田秋声
お国のお父さんも、すっかり田地を売っておしまいなすったというに、そうして毎日毎日茶屋酒ばかり飲んでいちゃ済まないじゃないかえ。」 主婦は楊枝を啣えて帳場の方へ....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
と遠ざかつてしまいました。 「二十歳の春に私はバーに通う事を知り、その年の秋には茶屋酒の味を知りました。私はほんとうに淋しかつたのです。父母が生きていてくれたら....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の時でしたが、お前のお父さんたら、もうその前から道楽の仕放題でねえ、十六の時から茶屋酒の味を覚えたとやらで、着物の着こなしでも何でも、それこそ粋でねえ、あたしと....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
った。交際も広く、金廻りもよく、おまけに人並すぐれて唄う声のすずしい旦那は次第に茶屋酒を飲み慣れて、土地の芸者と関係するようになった。旦那が自分の知らない子の父....
四十八人目」より 著者:森田草平
した際も、あらゆる手蔓を求めて目附衆へ運動もしたし、それから後も山科に閑居して、茶屋酒にうつつを脱かしていると見せながら、暮夜ひそかに大垣の城下に戸田侯(内匠頭....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
れに打ちこんで遊んでいたなどとケチをつけるワケではない。太平洋戦争で司令や参謀が茶屋酒にウツツをぬかしていても、戦争を忘れていたワケではない。 とは云え、自殺....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
荷物は焦げたところで大事ない」 すっかり血相の変った父はそのまま家をとびだして茶屋酒にひたり、何日も帰らぬ日がつづく。そして、何事もない平穏な日も父の茶屋酒は....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
を始める。これがトントン拍子に当る。いう目がでるので奢りに長じて伴蔵は、だんだん茶屋酒に親しむようになる。はしなくも土地の料理屋で、女中となっていた飯島の妾お国....
「明治のおもかげ」序にかえて」より 著者:喜多村緑郎
多聞に洩れないのが多かった。いずれも情歌の作品には情緒|纏綿という連中だったが、茶屋酒どころか、いかがわしい場所へ足を入れるものは殆ど尠なかった。この点、庵主金....