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「茶店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶店の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ざかい》を離れると、すぐに一行に追いついた。一行はその時、ある山駅《さんえき》の茶店に足を休めていた。左近はまず甚太夫の前へ手をつきながら、幾重《いくえ》にも同....
或る女」より 著者:有島武郎
いにある休憩所まで走って行って見たが、帰って来るとぶりぶりして、駅夫あがりらしい茶店の主人は古藤の書生っぽ姿をいかにもばかにしたような断わりかたをしたといった。....
或る女」より 著者:有島武郎
た。葉子は知った人にあうのを極端に恐れ避けながら、汽車の出るすぐ前まで停車場前の茶店の一間《ひとま》に隠れていて一等室に飛び乗った。だだっ広《ぴろ》いその客車に....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
》らえり。御者は框《かまち》に息《いこ》いて巻き莨《たばこ》を燻《くゆら》しつつ茶店の嚊《かか》と語《ものがた》りぬ。 「こりゃ急に出そうもない」と一人が呟《つ....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
行っても可《よし》、ちょいと珈琲《コオヒイ》に菓子でも可《よし》、何処《どこ》か茶店で茶を飲むでも可《よし》、別にそれにも及ばぬ。が、袷《あわせ》に羽織で身は軽....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ぬ。 境内の桜の樹蔭に、静々、夫人の裳が留まると、早瀬が傍から向うを見て、 「茶店があります、一休みして参りましょう。」 「あすこへですか。」 「お誂え通り、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
浪が打寄せる――江の島と富士とを、簾に透かして描いたような、ちょっとした葭簀張の茶店に休むと、媼が口の長い鉄葉の湯沸から、渋茶を注いで、人皇何代の御時かの箱根細....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
名物の焼蛤に酒|汲みかわして、……と本文にある処さ、旅籠屋へ着の前に、停車場前の茶店か何かで、一本傾けて参ろうかな。(どうだ、喜多八。)と行きたいが、其許は年上....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
乗込みは、ついその銀座の西裏まで、円タクさ。 ――呆れもしない、目ざす敵は、喫茶店、カフェーなんだから、めぐり合うも捜すもない、すぐ目前に顕われました。ところ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
されて下さりまし。」 伊勢国|古市から内宮へ、ここぞ相の山の此方に、灯の淋しい茶店。名物|赤福餅の旗、如月のはじめ三日の夜嵐に、はたはたと軒を揺り、じりじりと....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
休もうではないか。」 と月を見て立停った、山の裾に小川を控えて、蘆が吐き出した茶店が一軒。薄い煙に包まれて、茶は沸いていそうだけれど、葦簀張がぼんやりして、か....
黒百合」より 著者:泉鏡花
だ。 「失敬な。」も口の裡で、島野は顔を見らるると極悪そうに四辺をきょろきょろ。茶店の女は、目の前にほっかりと黒毛の駒が汗ばんで立ってるのを憚って、密と洋盃を齎....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
かり切っていた。 その次に車の止まったのは、切崩した山を背負っている、藁屋根の茶店の前だった。二人の土工はその店へはいると、乳呑児をおぶった上さんを相手に、悠....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、これは路傍に自から湧いて流るるのでなく、人が囲った持主があって、清水茶屋と言う茶店が一軒、田畝の土手上に廂を構えた、本家は別の、出茶屋だけれども、ちょっと見霽....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
実は讖をなす事になるんです。」 と言って、小山夏吉は一息した。 「やがて道端の茶店へ休むと――薄曇りの雲を浴びて背戸の映山紅が真紅だった。つい一句を認めて、も....