茶座敷[語句情報] » 茶座敷

「茶座敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶座敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
りもそれは二度と聞かずに、女だと云う事さえわかりました。こう云う大家《たいけ》の茶座敷に、真夜中女の泣いていると云うのは、どうせただ事ではありません。わたしは息....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
んですよ」 とお爨《さん》どんが案内に連れられ、奥へ参りますと、晋齋は四畳半の茶座敷で庭をながめて、勝五郎の参るのを待って入っしゃるところでございますから、 ....
永日小品」より 著者:夏目漱石
り払った懸物が気にかかるから、もう一遍《いっぺん》見せて貰いに行ったら、四畳半の茶座敷にひっそりと懸かっていて、その前には透《す》き徹《とお》るような臘梅《ろう....
行人」より 著者:夏目漱石
かったが、その代り風の通る隙間《すきま》にも乏しかった。ある時は湿《しめ》っぽい茶座敷の中で、四方から焚火《たきび》に焙《あぶ》られているような苦しさがあった。....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
梁や柱に黒光りがするくらい年代のある田舎家の座敷を、そっくりそのまま持ち込まれた茶座敷には、囲炉裏もあり、行灯もあった。西洋人に日本の郷土色を知せるには便利だろ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
し、ぱっとして畳も青い。床には花も活って。山家を出たような俊吉の目には、博覧会の茶座敷を見るがごとく感じられた。が、入る時見た、襖一重が直ぐ上框兼帯の茶の室で、....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
いう人だったから、私は驚きもしなかった。 一年ばかりたった夏の朝、私の寝ている茶座敷の丸窓を、コツコツ叩《たた》くものがある。戸を一枚ひくと、老人が、 「ばあ....
人面瘡物語」より 著者:田中貢太郎
。 「此方へおとおし申してくれ」 家臣は縁側に躪りあがって障子を左右に開けた。茶座敷風にした狭い室の中に、痩せた色の青黄ろい頭髪を長く延ばした男が、炬燵のよう....
市川九女八」より 著者:長谷川時雨
》みと手鏡を持って、舞台裏まで附いてゆく静枝にいいつけた。 根岸の家《うち》は茶座敷などもあって、庭一ぱいの鷺草《さぎそう》が、夏のはじめには水のように這《は....
酋長」より 著者:岡本かの子
ほのかな錆びた庭隅に池と断崖とが幾曲りにも続いて、眺めのよい小高見には桟敷や茶座敷があった。朝子は、何十年か、何百年か以前、人間が意慾を何かによって押えられ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、何か小声に告げている者があった。 北ノ探題仲時の側役で「――仲時どのが、庁の茶座敷でお待ち申しあげておりますゆえ、後刻でも、ちょっとお寄りを」との伝言だった....