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茶托
「茶托〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶托の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
少し自分に惘《あき》れてまた黙ってしまった。そして気がついて、手にしていた茶碗を
茶托《ちゃたく》に戻した。
ややしばらく思案しているらしかった小母さんは、きゅ....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
上へ上方焼《かみがたやき》の茶碗を二つ載せ、真鍮《しんちゅう》象眼《ぞうがん》の
茶托《ちゃたく》がありまして、鳥渡《ちょっと》しまった銀瓶《ぎんびん》と七兵衞《....
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
られた老先生はふり返ってニッコリしながら、 「ウム。よしよし」 とおっしゃって
茶托に干菓子を山盛りにして下さった。それをポツポツ喰べている私の顔を老先生はニコ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
と気の毒そうに、相手から眼を外《はず》して、畳の上に置いてある埋木《うもれぎ》の
茶托を眺《なが》める。京焼の染付茶碗《そめつけぢゃわん》はさっきから膝頭《ひざが....
「草枕」より 著者:夏目漱石
、頬と顎《あご》へ移植したように、白い髯《ひげ》をむしゃむしゃと生《は》やして、
茶托《ちゃたく》へ載《の》せた茶碗を丁寧に机の上へならべる。 「今日《きょう》は....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
す笑いながら、京焼の安茶碗に番茶を浪々《なみなみ》と注《つ》いで、アンチモニーの
茶托《ちゃたく》の上へ載せて、
「雪江さん、憚《はばか》りさま、これを出して来て....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
入れてしまった。午後の喫茶は、今や西洋の社会における重要な役をつとめている。盆や
茶托の打ち合う微妙な音にも、ねんごろにもてなす婦人の柔らかい絹ずれの音にも、また....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
器械が乗って、桐の胴丸の小判形の火鉢に利休形の鉄瓶が掛って、古渡の錫の真鍮象眼の
茶托に、古染付の結構な茶碗が五人前ありまして、朱泥の急須に今茶を入れて呑もうと云....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
ろいろの黒いものが配合されている。たとえば塗下駄や、帯や、蛇の目傘や、刀の鞘や、
茶托や塗り盆などの漆黒な斑点が、適当な位置に適当な輪郭をもって置かれる事によって....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
か煮つつある鍋も、炉中の火をかき廻す火箸も、炉辺に据えた五徳も――茶のみ茶碗も、
茶托も――すべて眼に触るるものがみんな新しい。ただ古いのは自在竹の煤《すす》のつ....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
幾つも見せていたが、その上には、紫檀の盆の中に、薄手《うすで》の上品な茶碗と錫の
茶托《ちゃたく》とが、鬱金色《うこんいろ》の布巾の下から覗いていた。室の反対の隅....
「日記」より 著者:宮本百合子
より『我輩は猫である』を買い、琅※洞による。□人の女は、只ものではない。藤井氏の
茶托でほしいのがあった。父上と一緒に坪内先生にあげるものを買うのが目的であったが....