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茶掛
「茶掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
二尺の一間床に、小田原と同じ蝦夷菊が投入にしてある。落款は判からぬが円相を描いた
茶掛が新しい。その前に並べた酒袋の座布団と、吉野|春慶の平膳が旅籠らしくなかった....
「青年」より 著者:森鴎外
茶席がある。寒くなってからも蚊がいて、気の詰まるような処であった。それにこの家は
茶掛かった拵えでありながら、いかにも晴晴している。蹂口のような戸口が南向になって....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
の間には、銀製の、西洋人形の立っている置時計があったし、掛軸は、重豪公の横文字の
茶掛けであった。
お由羅は、緋羅紗の褥《しとね》の上へ坐っていたし、その側の、....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
した。 話が外れましたが、右の海屋の幅は割に長い間掛かっていました。 「これは
茶掛によかろうと思うが」と、或る時お兄様がいわれます。 「お兄様も、お茶をお始め....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
から間違いっこはない。それから蕃山の手紙も、これは折紙つきだからだいじょうぶだ」
茶掛けとでもいうのらしい蕃山の一幅は、革紐つきの時代のついた立派な桐箱にはいって....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ゆゑ 兵法を隠れ家とのみ たのむ身なれや と自詠の一首が、懐紙に書かれて、壁の
茶掛となっている。 だが、この老子的な達人も、家康が礼を厚うして招くに至ると、....