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茶汲み
「茶汲み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶汲みの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
細いことにいちいち気付いて、若いものはしかられ通しであった。私の仕事は、掃除と御
茶汲みと新聞をとじたり郵便物を整理したりの雑用であり、おもに秘書の命令で働きまわ....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
らいの稿料を貰うけれども、毎月というわけではなく、毎月にしたところで、合せて、お
茶汲みの女給仕に及ばない金額であった。 だから先生の生活はもっぱらタケノコに依....
「一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
が微禄とはいいながら、徳川直参の若い武士と、夫婦になることが出来るのである。 (
茶汲み女として囃されても、そんな人気はひとしきり、妾の素性が知れようものなら、あ....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
捻を食わせろ」そこで弓之助はニヤニヤした。 「実はね、叔父さん、出来ましたので。
茶汲み女ではありますが、どうしてどうして一枚絵にさえ出た、素晴らしい別嬪でござい....
「魔像」より 著者:林不忘
」 「この通り、シッカリ抱いていまさァ」 毎度ありがとう。どうぞおしずかに……
茶汲み婆さんの声に送られて、ふたりも、腰かけを離《はな》れた。 やきもち坂を登....
「おせん」より 著者:邦枝完二
。それに引き換えあたしゃそこらに履き捨てた、切れた草鞋もおんなじような、水茶屋の
茶汲み娘。百夜の路を通ったとて、お前に逢って、昔話もかなうまい。それゆえせめての....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ないことはなかった。 「旦那さま、今夜はどちらへお泊りでございますか」 そこの
茶汲み女に話しかけられたのを幸いに、わけを話して計ってみると、それなら店の身寄り....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ぞ」 保元物語に見える伊勢武者の平忠清は、この古市の出生とあるが、今は、並木の
茶汲み女が、慶長の古市を代表していた。 竹の柱を結い、筵編みの揚蔀に、色褪せた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
伺ってみた。 「……?」 見ると、宮はそこにはおいでなくて、道場の隅のいぶせき
茶汲み部屋の窓へ向って、独り寂然と坐っておられた。 ここはやや高い所だけに、彼....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
たが、奥羽は一般にその語の用法がはるかに広い。一人で永くいる者がみなゴケであり、
茶汲み茣蓙敷きに老いたる男と添う者もゴケであった。つまりは契りを籠めた只一人の若....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
って人の手に病も癒え、その代り、身は転々と世路のつらさを舐めて、早くから水茶屋の
茶汲み女に売られたりした。 十七。かの女は、恋を知った。 その頃、よく水茶屋....