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茶渋
「茶渋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶渋の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
《さえ》ぎる程の物はなくても、天気の好い日に二十|哩《マイル》先は見えぬ。一面に
茶渋を流した様な曠《こう》野《や》が逼《せま》らぬ波を描いて続く間に、白金《しろ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、投げた歯に舌のねばり、どろんとした調子を上げた、遣手部屋のお媼さんというのが、
茶渋に蕎麦切を搦ませた、遣放しな立膝で、お下りを這曳いたらしい、さめた饂飩を、く....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
――ひた、と客を見て早や用意をしたか、蟋蟀の噛った塗盆に、朝顔茶碗の亀裂だらけ、
茶渋で錆びたのを二つのせて、 「あがりまし、」 と据えて出し、腰を屈めた嫗を見....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
カで貸間だらけ、一風宗匠は十徳のうちでこちこちにかたまっていらっしゃる。皮膚など
茶渋を刷《は》いたようで、ところどころに苔のような斑点が見えるのは、時代がついて....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
ら左へ切れた藤代町《ふじしろちょう》の安宿の二階だ。寒いほどの河風が吹きぬけて、
茶渋で煮しめたような障子紙のやぶれをはためかせていた。
日本一太郎は、端麗な顔....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
そのうちに団十郎は赤松満祐のときに着ていた衣裳、おそらく直垂か何かであったろう、
茶渋のような色の着物を持ち出して、なにか講釈をはじめたので、わたしは実に我慢が出....