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茶畑
「茶畑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶畑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
なしに駈けるのであった。 ものの半時ばかり経つと、同じ腕車は、通の方から勢よく
茶畑を走って、草深の町へ曳込んで来た。時に車上に居たものを、折から行違った土地の....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いた。わたしが今立っている酒屋のところには、おてつ牡丹餅の店があった。そこらには
茶畑もあった。草原にはところどころに小さい水が流れていた。五つ六つの男の児が肩も....
「静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
に槙を植えたのが多く、東京辺なら椎を植える処に楠かと思われる樹が見られたりした。
茶畑というものも独特な「感覚」のあるものである。あの蒲鉾なりに並んだ茶の樹の丸く....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ろどころ茗荷畑があり、これが早稲田の名物であった。大隈伯の邸宅と相対して、小高い
茶畑の丘の一部に建てられたのが専門学校であった。たしか明治十五年創立で、当時は至....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
そんなことを言っちゃあいられない。僕はしきりに親父に勧めて、この頃はそこら一面を
茶畑にしてしまったのだ。」 彼は先に立って案内してくれたが、成程そこらは一面の....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
りした口調である。 喜海は「ごきげんで結構でございます。これならきっと日本一の
茶畑になりましょう。地味もよほどよろしいようでございます」といってよろこんでいる....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
まれないこの部落の人たちは、過去数十年間の努力を積んで、山の斜面を残るくまなく、
茶畑と蜜柑畑と竹林とにかえてしまったのである。その指導の中心となったのは片平一家....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
。『関寺小町』とおちぶれさせては、親として申し訳がないからなあ」
二坪ばかりの
茶畑があって、緑青色の厚肉の葉が、押し合うように盛り上がっていたが、その傍らまで....
「回想録」より 著者:高村光太郎
。昔、鷹匠が住んでいた所で、古い庭園など荒果てて残って居り、あたりは孟宗竹の藪や
茶畑、桜や櫟の林が一面で、父の家はその竹藪に囲まれた中にあった。だから鼬や狐も居....
「美術学校時代」より 著者:高村光太郎
茶の名産地が残っている程である。そんなわけで所々に家があり、家と家との間は殆んど
茶畑であった。学校にも近いので都合はよかったが、あの団子坂などが昔は随分と急な坂....
「瘤」より 著者:犬田卯
たある日のこと、田辺は作業服を着て古い帽子をかぶり、下男といっしょに家の裏手の野
茶畑で春蒔野菜の種子や隠元豆、ふだん草、山芋などを蒔きつけ、さらに、トマトや南瓜....
「火に追われて」より 著者:岡本綺堂
っていた。わたしが今立っている酒屋のところにはお鉄牡丹餅の店があった。そこらには
茶畑もあった。草原にはところどころに小さい水が流れていた。五つ六つの男の児が肩も....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
古物を横浜に持って来たのを椿岳は早速買込んで、唯我教信と相談して伝法院の庭続きの
茶畑を拓き、西洋型の船に擬えた大きな小屋を建て、舷側の明り窓から西洋の景色や戦争....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
り小さな草も生えて居れば棘のある低い樹の生えて居る所に着きました。その樹は日本の
茶畑のような具合にぼつぼつと生えて居てみな針がある。寒い所であるから葉は青くなっ....
「こがらし」より 著者:岩本素白
なって居て、乳鋲のついた扉のある大きな開き門をはいると、境内はかなり広く、梅林や
茶畑や草原などもあって、二三軒の貸家もあった。然し、住僧は居ないで、切り下げの老....