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「茶番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茶番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
す。貴女を(お酌さん。)なぞと云う奴は、親のために焼芋を調え、牡丹餅を買い……お茶番の孝女だ。」 と大に擽って笑うと、妙子は怨めしそうな目で、可愛らしく見たば....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
たように。私にも分った。言出して見ると皆|同一。」…… 二十一 「茶番さ。」 「まあ!」 「誰か趣向をしたんだね、……もっとも、昨夜の会は、最初か....
戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
しかもさらに将来に何の希望をも繋ぎ得ない戦局を見せつけられ、加うるに低劣無慙なる茶番政治を見せつけられ、なおそのうえに腐敗の極ほとんど崩壊の前夜ともいうべき官庁....
春昼」より 著者:泉鏡花
模を大きく、建直した落成式、停車場に舞台がかかる、東京から俳優が来る、村のものの茶番がある、餅を撒く、昨夜も夜通し騒いでいて、今朝来がけの人通りも、よけて通るば....
少年探偵長」より 著者:海野十三
いうことだけはいい。 「いや、地獄の一丁目までいってきたよ。は、は、は、とんだお茶番さ」 「先生、じょ、冗談じゃありませんぜ。いったい、誰があんなことをしたんで....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
で。」 私はちょっかいを出すように、面を払い、耳を払い、頭を払い、袖を払った。茶番の最明寺どののような形を、更めて静に歩行いた。――真一文字の日あたりで、暖か....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
に木の下を駆出し、川べりの遠くへ行く仁右衛門親仁を、 (おおい、おおい、) と茶番の定九郎を極めやあがる。」 三十四 その夜に限って何事もなく....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
町に借宅します、萩原与五郎と申して未熟な狂言師でござる。」と名告る。 「ははあ、茶番かね。」と言った。 しかり、茶番である。が、ここに名告るは惜かりし。与五郎....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
ないか。」 お貞はまじめに弁解して、 「はい、ですから切前に帰りました。切前は茶番だの、落語だの、そりゃどんなにかおもしろいよ。」 「それじゃもう髯の御機嫌は....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
念のために声を懸けて呼ぼうにも、この真昼間。見える処に連を置いて、おおいおおいも茶番らしい、殊に婦人ではあるし、と思う。 今にも来そうで、出向く気もせず。火の....
初雪」より 著者:秋田滋
ちへ煖房だって! うわッはッは! ここのうちへ煖房だなんて、お前、そいつあ飛んだ茶番だよ! うわッはッは!」 しかし彼女も負けていなかった。 「いいえ、ほんと....
三枚続」より 著者:泉鏡花
くない御公家でな、しみったれに取りたがる評判の対手だから、ついお前の話に乗ってお茶番を仕組んで上げたようなものの、これが道理から言って見なさい、師匠と親は無理な....
式部小路」より 著者:泉鏡花
フムお妾だ。これがお前だとちょうど名も可い。イヤサお富と、手拭を取る、この天窓で茶番になるだろう。というと、いえ、私にも分りません、不思議なことには、久いあいだ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
教信が調戯半分に「淡島椿岳だから寧そ淡島堂に住ったらどうだ?」というと、洒落気と茶番気タップリの椿岳は忽ち乗気となって、好きな事|仕尽して後のお堂守も面白かろう....
活人形」より 著者:泉鏡花
光季武、それ押出せと五人にて、棍棒、鎌など得物を携え、鉢巻しめて動揺めくは、田舎茶番と見えにけり。 女房は独り機嫌悪く、由緒なき婦人を引入れて、蒲団は汚れ畳は....