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茶釜
「茶釜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茶釜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
通っている道を過ぎて私たちは草津のうばが餅屋に駆け込んだ。硝子《ガラス》戸の中は
茶釜《ちゃがま》をかけた竈《かまど》の火で暖かく、窓の色硝子の光線をうけて鉢の金....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
床几に腰をかけると、これも顔なじみのお染という若い女が愛想よく茶を汲んで来たが、
茶釜の前にもお里のすがたは見えないので、林之助は一種の失望を感じた。 「きょうは....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
独《ひと》りでそう考えたもので。 同一《おなじ》早饒舌《はやしゃべ》りの中に、
茶釜雨合羽《ちゃがまあまがっぱ》と言うのがある。トあたかもこの溝の左角《ひだりか....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
ろうと思う。薄暗い、古畳。寂として人気がない。……猫もおらぬ。炉に火の気もなく、
茶釜も見えぬ。 遠くで、内井戸の水の音が水底へ響いてポタン、と鳴る。不思議に風....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
逞しい四対の聯結主働輪の上に、まるで妊婦のオナカみたいな太った鑵を乗けその又上に
茶釜の様な煙突や、福助頭の様な蒸汽貯蔵鑵を頂いた、堂々たる貨物列車用の炭水車付機....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
ろうではないか。明るい午後の日は竹林にはえ、泉水はうれしげな音をたて、松籟はわが
茶釜に聞こえている。はかないことを夢に見て、美しい取りとめのないことをあれやこれ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
なさいまし。木葉を燻べて渋茶でも献じましょう。 荒れたものでありますが、いや、
茶釜から尻尾でも出ましょうなら、また一興でござる。はははは、」 「お羨い御境涯で....
「金属人間」より 著者:海野十三
ったぞ。エジプト手相よりは、ずっともうかるにちがいない。二十世紀の奇蹟|今様文福
茶釜《いまようぶんぶくちゃがま》――ではない文福釜《ぶんぶくがま》。……文福釜で....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
取落した小刀が影も見えないではありませんか。 驚きました。これにゃ、皆が貴僧、
茶釜の中へ紛れ込んで祟るとか俗に言う、あの蜥蜴の尻尾の切れたのが、行方知れずにな....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
いたらしい、さめた饂飩を、くじゃくじゃと啜る処―― 横手の衝立が稲塚で、火鉢の
茶釜は竹の子笠、と見ると暖麺蚯蚓のごとし。惟れば嘴の尖った白面の狐が、古蓑を裲襠....
「小公女」より 著者:菊池寛
あるわ。薔薇色の置ラムプが欲しいわね。真中にはお茶道具をのせたテエブル。丸い銅の
茶釜が、炉棚の上でちんちん煮立ってるの。寝台もすっかり変えなければ。それから、小....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
の燈火に映じて金屏風が、眼を射るばかりに輝いている。片寄せて茶道具が置いてあり、
茶釜がシンシン音立てている。 茶も飲めれば酒も飲める。寝たければ勝手に寝るがよ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
島の弁天様の鳥居前に一人で葦簀張を出しているんですって。 冬枯れの寒さ中毒で、
茶釜の下に島の朝煙の立たない時があっても、まるで寄ッつかず、不幸な奴ッちゃねえけ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
参禅した、という度胸|胡坐で、人を食っているのですから、喝、衣類調度の類、黄金の
茶釜、蒔絵の盥などは、おッつけ故郷から女房が、大船で一艘、両国橋に積込むと、こん....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
と訛る)、定考をコウジョウ、称唯をイショウ、新たしいをアタラシイ、身体をカダラ、
茶釜をチャマガ、寝転ぶをネロコブという類みなこれである。釣瓶をツブレ、蕪をカルバ....