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茸
「茸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
茸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
でも水を飲みに来るせいか、疎《まばら》に透《す》いている所には不気味なほど赤い大
茸《おおたけ》が、薄暗い中に簇々《そうそう》と群《むらが》っている朽木も見えた。....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
いって見るかな。」 僕は先に立って門の中へはいった。敷石を挟んだ松の下には姫路
茸などもかすかに赤らんでいた。 「この別荘を持っている人も震災以来来なくなったん....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
いで引返したのよ。」 四 「山時分じゃないから人ッ子に逢わず。また
茸狩にだって、あんなに奥まで行くものはない。随分|路でもない処を潜ったからな。三....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
記すまい。必要なのだけを言おう。 必要なのは――魚説法――に続く三番目に、一、
茸、(くさびら。)――鷺、玄庵――の曲である。 道の事はよくは知らない。しかし....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ごしにすらすらと渡って、おろした荷の、その小魚にも、蕈にも颯とかかる、霜こしの黄
茸の風情が忘れられない。皆とは言わぬが、再びこの温泉に遊んだのも、半ばこの蕈に興....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、今の、あの声は。……烏瓜を※っただけで下りりゃ可いのに、何だかこう、樹の枝に、
茸があったもんだから。」 五 「これ、これ、いやさ、これ。」 「は....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
らす。ただ、魚類に至っては、金魚も目高も決して食わぬ。 最も得意なのは、も一つ
茸で、名も知らぬ、可恐しい、故郷の峰谷の、蓬々しい名の無い菌も、皮づつみの餡ころ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
出した。 中心へ近づくままに、掻く手の肱の上へ顕われた鼻の、黄色に青みを帯び、
茸のくさりかかったような面を視た。水に拙いのであろう。喘ぐ――しかむ、泡を噴く。....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
居に縋る。 謙造はひしと背後に附添い、 「松葉越に見えましょう。あの山は、それ
茸狩だ、彼岸だ、二十六|夜待だ、月見だ、と云って土地の人が遊山に行く。あなたも朝....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
置で皮を乾したそうである。 笑話の翌朝は、引続き快晴した。近山裏の谷間には、初
茸の残り、乾びた占地
茸もまだあるだろう、山へ行く浴客も少くなかった。 お桂さん....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
の男が前を出して、その先きへ石を附けて、張子の虎の首の動くようなのや、おかめが松
茸を背負っているという猥褻なのがありましたっけ。こんな子供の玩具にも、時節の変遷....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
い。片手|懐って、ぬうと立って、笠を被ってる姿というものは、堤防の上に一|本占治
茸が生えたのに違いません。 夕方になって、ひょろ長い影がさして、薄暗い鼠色の立....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
知れません。勿論、独身らしいのです。寸人豆馬と言いますが、豆ほどの小僧と、馬に木
茸の坊さん一人。これが秋の暮だと、一里塚で消えちまいます、五月の陽炎を乗って行き....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
ぐる比なりき。 麓に遠き市人は東雲よりするもあり。まだ夜明けざるに来るあり。芝
茸、松
茸、しめじ、松露など、小笹の蔭、芝の中、雑木の奥、谷間に、いと多き山なれど....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
山々のふところへ深くもひきつけられる。というのは其の連山のふところにはさまざまの
茸が生えていて私の訪うのを待っていて呉れる。この
茸は全く人間味を離れて自然の純真....