茹る[語句情報] » 茹る

「茹る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

茹るの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
園で話の序にこういうことを云ったのも想い出された。 私の肉体は盛り出した暑さに茹るにつれ、心はひたすら、あのうねる樹幹の鬱蒼の下に粗い歯朶の清涼な葉が針立って....
虹の橋」より 著者:久生十蘭
て、庖丁の掛け場所、笊の置きどころまで、仕勝手《しがって》よく考えてあって、菜を茹るにも居まわりで用の足りる便利さといったらなかった。 あさひは、水口のガラス....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
踏はだかり、青竹の割箸の逞しいやつを使って、押立ちながら、二尺に余る大蟹の真赤に茹る処をほかほかと引上げ引上げ、畳一畳ほどの筵の台へ、見る間に堆く積む光景は、油....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
始め頃、飛沫を浴びるとまだ鳥肌だつ頃だったのです。今は七月も過ぎて八月の五日……茹るような暑さです。溝渠はさぞ満々たる水を湛えて走っていると思いのほか、なんと一....