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草の原
「草の原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草の原の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あいそがつきらあ。人形師の野郎がね――」 「眼的か」 「的も的も大的なんです。浅
草の原丸も、呉服町の清谷も、最初の二軒はしくじったからね、心配しいしい三軒めの京....
「一坪館」より 著者:海野十三
めると、車からとびおりた。そして目の下の堤いっぱいに咲きひろがっている紅いれんげ
草の原へかけこんだ。 「うわあ、すごいなあ。すごいなあ」 源一は気が変になった....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
内の光景もポーデル博士もかきけすようになくなっていて、二人はおおいかぶさる緑の雑
草の原の中にとりのこされていた。....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
靡いて、路上に輜重車が、丁度壊れかかった家具のように抛り出されていた。苦力達は青
草の原に隊列を離れて寝そべり、あぐらを組んで、兵卒や苦力頭が声高く罵り怒鳴り、威....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いるようでしたから、お君は安からぬことに思うて息を切って、馬場から牧場の方へと枯
草の原を駈けて行きました。 そのうちに、駒井能登守はたまり兼ねて馬から下りてし....
「源氏物語」より 著者:紫式部
て思わないでしょう」 などと源氏が言うと、 うき身世にやがて消えなば尋ねても
草の原をば訪はじとや思ふ という様子にきわめて艶《えん》な所があった。 「そ....
「落合町山川記」より 著者:林芙美子
て来る。――高台なので、川の向うの昔住んでいたうちや、尾崎さんのいた家、昔は広い
草の原であった住宅地などが一眸《いちぼう》のうちに見える。前居た家には、うちに働....
「山の春」より 著者:高村光太郎
大きなあんぱんが湯気をたてて、懐紙の上にいくつも盛られているようで、わたくしは枯
草の原の枯木の株に腰をおろして、「これは大きなあんぱんだなあ、うまそうだなあ、」....
「少年・春」より 著者:竹久夢二
あなたの頭上はすべてこれ空飛ぶ鳥と、鳥の歌。あなたの周囲はすべてこれ、風に光る
草の原であった。 あなたはブランコが揺れるままに、何時かしら、藍色のキモノに身....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
のもので、古くから中国には栽培せられてあったが日本へは未渡来品である。そしてこの
草の原産地は熱帯地で、インド、マレーからオーストラリア、太平洋諸島、西アジアから....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
奈根町の浄水場を目当てに行くということだったが、その辺は、広い田圃《たんぼ》や雑
草の原ばかりで、家らしいものもなく、どこでたずね合わすすべもなかった。あちらこち....
「木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
、息もつかずに走り下りた。 藪道をくぐり抜けて渓流の岸へ下りた。ただ一面の短い
草の原、今まで来た道は何処へやら、さっぱり判然らなくなってしまった。が仕方がない....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ると思ったです。幸いにその夜はある山の端に着きましてまた例の雪が疎らに積って居る
草の原に宿りました。これまではテントの中に寝て居りましたのに急に雪の原に宿ったも....
「富籤」より 著者:神西清
そんなことを身体ぜんたいで感じている。寝ころんでいるのが厭きてくると、こんどは乾
草の原っぱへ出かけたり、森へ茸をとりに行ったり、でなければ百姓が投網をするのを見....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
見えた。 なんと抒情的な異国風景、 ああ、春楡、山査子、白樺、 広い広い牧
草の原、 あ、羊だ、羊だ、遠くを人が追って来ている。 牧歌牧歌と誰やらが叫ん....