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草の実
「草の実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草の実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
水道尻《すいどうじり》へかけて人の世の秋の哀れを一つに集めたような寂しい草の花や
草の実を売りに出る。遊女もそぞろ歩きを許されて、今夜ばかりは武蔵野に変ったような....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
燻く、あの抹香を製造する原料にされているんだ。判るかい。つまりこの煎餅と言い、莽
草の実と言い、二つながら手掛としては非常に特殊な代物である事に注意し給え。ところ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
のあいだに、少女は六人の男と六人の女を生んだ。かれらは木の皮をもって衣服を織り、
草の実をもって五色に染めたが、その衣服の裁ち方には尾の形が残っていた。盤瓠が死ん....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
ちらへ向かって船をこぎよせて来ました。その乗っている船は、ががいもという、小さな
草の実で、着ている着物は、ひとりむしの皮を丸はぎにしたものでした。 大国主神は....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
は羅刹のような憤激で、荒れ狂い怒りたけって、草むらに隠現した。馬の汗ばんだ腹には
草の実がまびれていた。 「高村、高村! 動かん奴は撃て! 関まわぬから撃ち殺ろせ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
労働生活が思われる。これは激しい汗みずくな、しかしまた楽みにも充ちたものである。
草の実の採入れは、それとは趣の異った、暢気な、間のぬけた、ほんのちょっとした気慰....
「ラプンツェル」より 著者:グリムヴィルヘルム・カール
て、眼を潰してしまいました。それからは、見えない眼で、森の中を探り廻り、木の根や
草の実を食べて、ただ失くした妻のことを考えて、泣いたり、嘆いたりするばかりでした....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
様のように座を占めて、お兼とお鶴とが、左右からつぎつぎにブリキの皿に盛って差出す
草の実や、砂|饅頭に箸をつける真似をしていた。しかし、もう同じような遊びを小半時....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
しょにたべて、生きていた。あれ野に追い出されてからは、野ネズミをとってたべたり、
草の実をたべたりして、十年も十五年もがんばっていた。 十九年めに、漢の国から匈....
「博物誌」より 著者:岸田国士
、彼は鳥籠を一つ買う。それを自分の窓に掛けておく。籠の中には、毛綿で作った巣と、
草の実を入れた皿と、綺麗な水をしょっちゅう取換えてあるコップとが置いてある。おま....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
って来て、李朝白磁の手頃なふっくりした花瓶に無造作に挿す。すすきの萎えた穂と唐糸
草の実つきと、残りの赤い色を細かにつけた水引草と、それに刺なしひいらぎの白い花を....
「烈婦」より 著者:高田保
「世界情勢吟」と題して川柳一句をお取次ぎする。 国境を知らぬ
草の実こぼれ合い なんと立派なものではないか。ピリッとしたものが十七字の中に結....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
む。汗はタクタク流れる。熊笹は尽きて雑木の林になる。蔓が絡む、茨の刺は袖を引く、
草の実は外套からズボンから、地の見えぬまで粘りつく。 辛うじてかなりの高所へ出....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て居る。この一つの着物の外になんにも着けない。
その食物は多くは山林の自然生の
草の実あるいは茸等であって、その草の毒であるか毒でないかという事を知るのは実に鋭....
「赤い実」より 著者:小川未明
ていた義雄さんは、なんの実だろうかと思いました。 「お母さん、木の実でしょうか、
草の実でしょうか?」と、ききました。 「やぶの中に生えている、なにかの木の実のよ....