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草の庵
「草の庵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草の庵の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「庭」より 著者:太宰治
一方はかなり裕福の家から出て、かっぷくも堂々たる美丈夫で、学問も充分、そのひとが
草の庵《いおり》のわびの世界で対抗したのだから面白いのだよ。」 「でも、やっぱり....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
方くらいの面積だ。猫の前足で掻《か》き散らしても滅茶滅茶になる。引き寄せて結べば
草の庵《いおり》にて、解くればもとの野原なりけり。入らざるいたずらだ。懐手《ふと....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を後に残して、田原藤太の矢先にかかった。娘は陸奥に落ちて来て、尼となった。ここに
草の庵を結んで、謀叛人と呼ばれた父の菩提を弔いながら、往き来の旅人に甘酒を施して....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
、歿後三年刊行 貧の意地 むかし江戸品川、藤茶屋のあたり、見るかげも無き
草の庵に、原田内助というおそろしく鬚の濃い、眼の血走った中年の大男が住んでいた。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て進入したところには、岩に沿うているけれども洞穴ではなく、たしかに人間のむすんだ
草の庵《いおり》があるのです。
百三十七
弁信の人が住ん....
「細木香以」より 著者:森鴎外
鶴には暇を遣り、妻ふさと倅慶次郎とを連れて、浅草馬道の猿寺境内に移った。蕭条たる
草の庵の門には梅阿弥の標札が掛かっていた。 十一 猿寺の侘住いに....
「源氏物語」より 著者:紫式部
おくことにしよう」 それから宮は仏間へおはいりになるのだったが、 「われなくて
草の庵は荒れぬともこの一ことは枯れじとぞ思ふ こうしてお話のできるのもこれが最....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ように、世間|馴れぬ内気な人ですから、 移し植ゑて思ひ乱れぬ女郎花浮き世をそむく
草の庵に と書いて出した。はじめてのことであってはこれが普通であろうと思って中....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
らずなど例の高声にひとりうち語る。顕治本など読みてありぬ。七日ほど経て鶴次郎吾が
草の庵を訪れぬ。格子引き開くるより『非常《ひぞう》のこといで来たり。非常のことな....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
でも、花嫁の振袖にでも、イヴニングドレスにでも、信仰の心を包むことは自由である。
草の庵でも、コンクリート建築の築地本願寺でも、アパートの三階でも信仰の身をおくこ....