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草代
「草代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草代の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ことだという。そんな金がどこからはいるのか、自分の仕送りは宿の払いに精一杯で、煙
草代《たばこだい》にも困るだろうと済まぬ気がしていたのにと不審《ふしん》に思った....
「新生」より 著者:島崎藤村
と彼女は言って見せた。
遅くまで人通りの多い下町の方から移って来て見ると、浅
草代地あたりでまだ宵の口かと思われた頃がその高台の上では深夜のように静かであった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
兵屯所へ出頭して、小隊長の根井善七郎に面会を求めた。 「あなたは二十四日の晩、浅
草代地河岸のお園という女の家《うち》へ押込みがはいったのを御存知でしょうか」 「....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
すめ、じぶんは「猿酒」を呷り“Dagga”という、インド大麻に似た麻酔性の葉を煙
草代りに喫っている。その両方の酔いがもう大分まわったらしく、バイエルタールはだん....
「S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
ます実の娘と、大学生の養子夫婦に毎月六十円ずつ分けてやりまして、残りの二十円を煙
草代と酒代にしながら気楽な日を送っておりますような事で、貯金も只今は二千円余り御....
「芋」より 著者:佐左木俊郎
山掘れそうな日などには、何かの祟りかと思われる程、何処にもかくにも蛇が居て、唯煙
草代を損して帰って来ることがあってから、随って、彼とモセ嬶との生活は随分酷めなも....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
状態でした。 Yは、この経済状態の上に、最も露骨に私への反感を示して、自分の煙
草代から小遣いのすべてを、一銭もその共同の会計からは取らずに、乏しい私の財布のみ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
めの生活は、一つのはりがないでもなかった。千五百円の初給であった。私はそれで、煙
草代も、コーヒ代も、絵の本をかったり、芝居をみたりすることも十分に出来た。煙草は....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
を取って捩上げようと致しましたが、仮にも十人力と噂のある左官の亥太郎、只今でも浅
草代地の左官某が保存して居るそうですが、亥太郎が常に用いました鏝板は、ざっと一尺....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
なつて来たと思つたのさ」 「それが、そろそろ面白くなくなつて来た原因は?」 「煙
草代を貸せ、が、毎日のようになつたからだよ。それに、一ヶ月もいて、一度も宿賃のこ....
「円太郎馬車」より 著者:正岡容
で認められた山岡鉄舟先生の半折をお手本にして、三遊亭圓朝は、手習いをしていた。浅
草代地河岸の圓朝の宅。ツルリと抜け上がった額を撫でながら圓朝は、「梅咲くや」「梅....