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草屋
「草屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
てお前は造花じゃないか?」
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角《かど》から見た煙
草屋の飾り窓。巻煙草の缶《かん》、葉巻の箱、パイプなどの並んだ中に斜めに札《ふだ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ひ》を起して死んだのです。やはり「ふ」の字軒の主人の話によれば、隣《となり》の煙
草屋の上《かみ》さんが一人、当夜かれこれ十二時頃に共同風呂へはいりに行きました。....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
曲角の漬物屋、ここいらへも探偵が入ったろうと思うと、筋向いのハイカラ造りの煙
草屋がある。この亭主もベラベラお饒舌をする男だが、同じく申上げたろう、と通りがか....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
訪ねて、無限の感にうたれた。翁は十年の長い年月、草木谷という山中の四畳半ぐらいの
草屋に単身起居し、その後、後嗣の死に遇い、やむなく家に帰った後も、極めて狭い庵室....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
怖ろしいが、むしろ女小児の遊ぶにもよろしき小湖に過ぎぬ。 湖畔の平地に三、四の
草屋がある。中に水に臨んだ一|小廬を湖月亭という。求むる人には席を貸すのだ。三人....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
の女店員は、小麦色の血色のいい娘で、毬のようにはずみのいい体を持っていた。 煙
草屋の夫婦喧嘩を真ッ先にみつけたのは、「青蘭」の女給達だった。「青蘭」の二階のボ....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
すよ。初めて今福さんのお嬢さんと大ぴらの交際をなさるようになったのは……」 煙
草屋の内儀さんが袋探偵に囁いた。 探偵は呻った。 しばらくすると門の中から、....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
があろう。そう思ったので帽子も被らないで、黙りで、ふいと出た。 直き町の角の煙
草屋も見たし、絵葉がき屋も覗いたが、どうもその類のものが見当らない。小半町|行き....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。 しかり、町の中にても、隣より高かりし、わが二階家の、今は平家に建直りて、煙
草屋の店開かれたり。扇折の住みし家は空しくなり、角より押廻せる富家の持地となりて....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
れがしきりに動きます。それでおかあさんは、すぐそこには人が集まって、聖ヨハネ祭の
草屋を作るために、その葉を採っているのだと気がつきました。しかしてそこには水があ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
したことを覚えている)それからもう故人になった或|隻脚の飜訳家もやはり銀座の或煙
草屋に第二の僕を見かけていた。死は或は僕よりも第二の僕に来るのかも知れなかった。....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
一緒になって、倒れている女房を介抱しながら自分の家へ連れ込んだ。その店は小さい煙
草屋であった。気絶こそしないが、女房はもう真っ蒼になって動悸のする胸を苦しそうに....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
でした。××行きでございます……」 米泥のM公 いつ見ても腐れ切った
草屋根のところどころ雨漏りのする個所へ煤けきった板など載せて、北側の荒壁は崩れる....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ら引続き我慢をしているが、とかく気になるという足取。 ここに金鍔屋、荒物屋、煙
草屋、損料屋、場末の勧工場見るよう、狭い店のごたごたと並んだのを通越すと、一|間....
「六日月」より 著者:岩本素白
。上の高台寺そのものをも入れて、すべて此の辺りは下河原町になって居るのである。煙
草屋、荒物屋など暗い寂しい店に交って、仕出し屋、料理屋なども有る様子で、入口は狭....