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草市
「草市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草市の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
の町芸妓の袂にも、夜露がしっとりと沁みるのが知れて来る。十二日も十三日も盂蘭盆の
草市《くさいち》で、廓も大門口から水道尻《すいどうじり》へかけて人の世の秋の哀れ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りでなく、堅気の商人の店先でもまじめにささやかれるようになって来た。 あしたが
草市という日に、お雪はいつものように文字春のところへ稽古に来た。丁度ほかに相弟子....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
が立つにつれて、容体の悪いのが目に立った。 やがて盂蘭盆がきた。町の大通りには
草市が立って、苧殻や藺蓆やみそ萩や草花が並べられて、在郷から出て来た百姓の娘たち....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
風鈴と釣忍 井戸がえ 箱庭と灯籠 定斎と小使銭 青簾 夏祭り 心太と白玉 川開き
草市と盂蘭盆 灯籠流し 蒲焼と蜆汁 丑べに 朝顔と蓮 滝あみ 虫と河鹿 走り鮎 ....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
大きいものか、若い人には想像するさえむつかしいであろうと思われる。 二
草市 七月十三日の夕方哲学者のA君と二人で、京橋ぎわのあるビルディングの屋上で....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
来たのが八月十三日である。ひと月前の七月十三日の夜には哲学者のA君と偶然に銀座の
草市を歩いて植物標本としての蒲の穂や紅花殻を買ったりしたが、信州では八月の今がひ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
。我が一樹も可なり飲ける、二人で四五本傾けた。 時は盂蘭盆にかかって、下町では
草市が立っていよう。もののあわれどころより、雲を掻裂きたいほど蒸暑かったが、何年....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
匠にして、喧嘩のけいこを毎日毎日したが、しまいには上手になった。 暮の十七日、浅
草市へ例の連れで行ったが、その時、忠次郎が肩を斬られたが、衣類を厚く着た故、身へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ガ、事無ク済ンダ。 ソノ外、所々ニテノ喧嘩、幾度モアッタガ、タイガイ忘レタ。 浅
草市デ、多羅尾七郎三郎ト、男谷忠次郎ト、ソノ外五六人デ行ッタ時ハ、二尺八寸ノ関ノ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
な 魂棚の前に飯喰ふ子供かな 草分けて犬の墓にも詣でけり 墓拝む後ろに高き芒かな
草市の立つ夜となりて風多し 通夜の窓ことり/\と添水かな 提げて行く燈籠濡れけり....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
、僕は新橋駅まで送って行ってやった。 言うまでもなく、その日は盆の十二日だから
草市の晩だ。銀座通りの西側にも
草市の店がならんでいた。僕は美智子の革包をさげ、妹....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
又珍しいと云うことが出来よう。 真夏が江戸へ訪れて来た。 観世音四萬三千日、
草市、盂蘭盆会も瞬間に過ぎ土用の丑の日にも近くなった。毎日空はカラリと晴れ、市中....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
夜の四つ半(午後十一時)に近いころで、今夜はここらの組屋敷や商人店を相手に小さい
草市が開かれていたのであるが、山の手のことであるから月桂寺の四つの鐘を合図に、そ....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
よと小春が顔に花散る容子を御参なれやと大吉が例の額に睨んで疾から吹っ込ませたる浅
草市羽子板ねだらせたを胸三寸の道具に数え、戻り路は角の歌川へ軾を着けさせ俊雄が受....