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草庵
「草庵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草庵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「美少女」より 著者:太宰治
で、家内をして毎日、湯村へ通わせることにした。私たちの借りている家賃六円五拾銭の
草庵は、甲府市の西北端、桑畑の中にあり、そこから湯村までは歩いて二十分くらい。(....
「畜犬談」より 著者:太宰治
る。 ことしの正月、山梨県、甲府《こうふ》のまちはずれに八畳、三畳、一畳という
草庵《そうあん》を借り、こっそり隠れるように住みこみ、下手な小説あくせく書きすす....
「虚構の春」より 著者:太宰治
に言われて、ふだんから生真面目の人、しかもそのころは未だ二十代、山の奥、竹の柱の
草庵に文豪とたった二人、囲炉裏《いろり》を挟んで徹宵お話うけたまわれるのだと、期....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
せんで、時間を違《ちが》えず毎日廻ってまいり、お若さんの閉籠《とじこも》っている
草庵《そうあん》の前に立って三味線弾くこともありますが、或日の事でございました、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
そ、上杉謙信を向こうへ廻わし、駄法螺を吹くことも出来るのである。 ある日卜伝が
草庵の中で兵書の閲読に耽っていると、戸外でこういう声がした。 「五臓丸、五臓丸、....
「観画談」より 著者:幸田露伴
左方の高みの、あの小さな滝の落ちる小山の上は絶対に安全地で、そこに当寺の隠居所の
草庵があります。そこへ今の内に移っていて頂きたいのです。わたくしが直に御案内致し....
「運命」より 著者:幸田露伴
応文たり。心の中はいざ知らず、袈裟に枯木の身を包みて、山水に白雲の跡を逐い、或は
草庵、或は茅店に、閑坐し漫遊したまえるが、燕王今は皇帝なり、万乗の尊に居りて、一....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
山の話がはじまった。点火もわざと暗くした風情の中に、おのおの膳についた。いずれも
草庵相応な黒漆を塗った折敷である。夕顔、豆腐の寺料理も山家は山家らしく、それに香....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ました。藤葛を攀じ、渓を越えて、ようやく絶頂まで辿りつくと、果たしてそこに一つの
草庵があって、道人は几に倚り、童子は鶴にたわむれていました。大勢は庵の前に拝して....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
だ。 庭の梅の木の枝に蓑虫が一つぶら下っている。有合せの枯っ葉を縫いつづくった
草庵とでもいうべきお粗末な住家で、庵の主人は印度人のような鳶色の体を少しばかし、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。藤かずらを攀じ、渓を越えて、ようやく絶頂までたどりつくと、果たしてそこに一つの
草庵があって、道人は机に倚り、童子は鶴にたわむれていた。 大勢は庵の前に拝して....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
的性格者であった。 五 立正安国論 日蓮は鎌倉に登ると、松葉ヶ|谷に
草庵を結んで、ここを根本道場として法幡をひるがえし、彼の法戦を始めた。彼の伝道に....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
京にすみながら桜も咲きながら 桃子 こもりゐや花なき里にすみなれて より江
草庵を結んで花に置炬燵 あふひ 花の京にすみながら、しかも花の盛りであるのに....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
まだ続いている。涼を求めるにはいったいどこがよいのか、それは熱帯樹のかげの粗末な
草庵がよいのである。) リスボンの灯台今は暗けれど、昔しは四方の海を照らせり ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
中に家集をまとめ、尊氏のあとを継いだ二代将軍|義詮のもとめで差し出した。それが『
草庵集』である。これは二条派からは金科玉条とされ、ことに、西行の『山家集』ととも....