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草枕
「草枕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草枕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
ゃくし》をべたべたのばしながら、もの静かな庫裡《くり》を後ろにして、夏目先生の「
草枕《くさまくら》」の一節を思い出させたのは、今でも歴々と覚えている。それから急....
「富士」より 著者:岡本かの子
はその幕の掠り除れた横さまの隙より山の麓らしい大ような勾配を認めたように思った。
草枕、旅の露宿に加えて、夢も皺《しわ》かく老の身ゆえに、寝覚めがちな一夜であるの....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
と尚《なお》煩さくいうと、「いやなにもありません。行き当り飛蝗《ばった》とともに
草枕《くさまくら》」と最前の浪花節の句をいってから笑いました。ではさっきから何処....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
篇に好きなものがある。「文鳥」のようなものが佳いと思う。「猫」、「坊ちやん」、「
草枕」、「ロンドン塔」、「カーライル博物館」、こんなものが好きだ。 要するに夏....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
で見送って、「御機嫌よろしゅう……来年もどうぞ」などと口々に云っている。歌によむ
草枕、かりそめの旅とはいえど半月ひと月と居馴染めば、これもまた一種の別れである。....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
が、それについて花袋に問い合わせの手紙を出した。その文中で花袋の近作、紀行文集『
草枕』の中の事実に合っていない個所を注意した。右に対する返事、 拝啓 其後は御....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
む おもひやれ旅のやどりの独り寝の朝けの袖の露のふかさを あはれとや月もとふらむ
草枕さびしき秋の袖の上の露 独りある旅寝の床になくむしのねさへあはれをそへてける....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
貧きには馴れても、加茂川の水柔らかなる所に生長て初て野越え山越えのつらきを覚えし
草枕、露に湿りて心細き夢おぼつかなくも馴れし都の空を遶るに無残や郭公待もせぬ耳に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
一生に一度だ。較べものにゃあなりませんが、むかし琵琶法師の名誉なのが、こんな処で
草枕、山の神様に一曲奏でた心持。 と姉さんがとけて流れて合うのじゃわいなと、き....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
記念に、萩の花を衣に薫染せしめなさい、というのであろう。 右の如くに解して、「
草枕旅ゆく人も行き触ればにほひぬべくも咲ける芽子かも」(巻八・一五三二)の歌の如....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
徘徊せし当時を思い浮べては宮川行の夜船の寒さ。さては五十鈴の流れ二見の浜など昔の
草枕にて居眠りの夢を結ばんとすれどもならず。大府岡崎|御油なんど昔しのばるゝ事多....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
知れぬが、傑作などは出来なくても小供が丈夫でいてくれる方が遥かによろしい。到底「
草枕」の筆法では行きません。「猫」の代正に頂戴難有候。漠然会なるものが出来るよし....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
で見送って「御機嫌よろしゅう……来年もどうぞ」……など口々にいっている。歌によむ
草枕、かりそめの旅とはいえど半月一月と居馴染めば、これもまた一種の別れである。涙....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
よいよ準備を調えて出立する時分に一首の歌が出来ました。
空の屋根、土をしとねの
草枕
雲と水との旅をするなり
しかしこれからの旅はこの歌のようではな....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
中には数十回に及んだお方もある。上皇の御幸であっても、お供の公卿たちは急造の庵に
草枕することもあったのだが、それにしてもこうした交通の自由感の生れてきていたこと....