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草莽
「草莽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草莽の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雛妓」より 著者:岡本かの子
に何々小町とか何々乙姫とか呼ばれる娘は随分生れた。しかし、それが縁付くとなると、
草莽の中に鄙び、多産に疲れ、ただどこそこのお婆さんの名に於ていつの間にか生を消し....
「文芸時評」より 著者:宮本百合子
る。板垣退助を隊長とする官軍に属する医者の息子である一人の青年に「維新の業は我ら
草莽の臣の力によってなさるべきだ」といわせたり「暗厄利亜《アングリヤ》国に、把爾....
「今日の文学の諸相」より 著者:宮本百合子
の階層に属す人間の名をぬいて在ることは出来ないという事実の機微からみれば、たとい
草莽《そうもう》の一民の生涯からも、案外の歴史の物語が語られ得る筈である。 こ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
殿様がお城をきずくに、万人の百姓を苦しめました、しかも殿様は英雄とうたわれ百姓は
草莽の間につかれて死にます、清盛、頼朝、太閤、家康、諸君はかれらを英雄なりという....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たように、法燈赫々《ほうとうかくかく》、旗鼓堂々《きこどうどう》たる大流でなく、
草莽《そうもう》の間《かん》、田夫野人の中、或いはささやかなるいなかの神社の片隅....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
が、いつの間にか、土地がシャスタ・シチイと改名せられて、あたらシッソン翁の名は、
草莽の間に埋められようとしている(あたかも富士山の役行者の名が、今日忘られかけて....
「志士と経済」より 著者:服部之総
。もとよりさまざまな出身で、一概にいえぬが、大量的支配的な現象として、無位無官「
草莽《そうもう》」志士の地盤には、全国諸地方の新興産業商業の勢力が、脈々として息....
「三国志」より 著者:吉川英治
残したまま数百歩駒をすすめ、 「戦場とて、失礼をいたした。それがしは※県楼桑村の
草莽より起って、いささか奉公を志し、討賊の戦場に参加しておる義軍の将、劉備玄徳と....
「三国志」より 著者:吉川英治
ついに、洛陽を捨て、長安をのがれ給い、玉車に塵をこうむること二度、しかもわれら、
草莽の微臣どもは、憂えども力及ばず、逆徒の猖獗にまかせて現状に至る――という状態....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ておる。その儀と、矛盾はせぬか」 「もちろん、違背はいたしません。けれど、東国の
草莽より起った古源氏の裔、尊氏の寸心にも、ひとつの信条がござりまする。そして直義....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
くて自然にわかる時代には、子供と国語とは今少し縁が深く、新らしい物の名はこうして
草莽の間から生れていたのである。 名を付けるということそれ自身があるいは昔の子....