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草葉
「草葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
き》に触《さ》わったら御勘弁。一ツ差上げましょう」と杯《さかずき》を奉まつる。「
草葉の蔭で父上が……」とそれからさわりで行くところだが、あの時はどうしてあの時分....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
の香花《こうげ》、どうぞ政夫さん、よオくお参りをして下さい……今日は民子も定めて
草葉の蔭で嬉しかろう……なあ此人にせめて一度でも、目をねむらない民子に……まアせ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
れにこたえている。秋の曲を奏すれば、物さびしき夜に、剣のごとき鋭い月は、霜のおく
草葉に輝いている。冬の曲となれば、雪空に白鳥の群れ渦巻き、霰はぱらぱらと、嬉々と....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
出した。この『敦盛』は信長の常に好んで謡った処である。「……此世は常の栖に非ず、
草葉に置く白露、水に宿る月より猶怪し、金谷に花を詠じし栄華は先立て、無常の風に誘....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
所にッて、とても不可ないと思って強請ったら、こうして連れて来てくれたんですもの。
草葉の蔭でもどんなに喜んでいるか知れませんよ。 早瀬 堪忍しな。嘘にも誉められた....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
どに判然と見えるのに、薄紅の蝶、浅葱の蝶、青白い蝶、黄色な蝶、金糸銀糸や消え際の
草葉螟蛉、金亀虫、蠅の、蒼蠅、赤蠅。 羽ばかり秋の蝉、蜩の身の経帷子、いろいろ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
るつる突出して、芥子を利かして、冷い涙を流しながら、見た処三百ばかりの墓燈籠と、
草葉の影に九十九ばかり、お精霊の幻を見て涼んでいた、その中に初路さんの姿も。)と....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
だから萎むまいと、朝顔を添えた女の志を取り受けて、築地本願寺の墓地へ詣でて、夏の
草葉の茂りにも、樒のうらがれを見た覚えがある…… ……とばかりで、今、今まで胴....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
したようなお優しい、お心弱い方がどんなにお歎きでござりましょう。今じゃあ仏様で、
草葉の蔭から、かえって小主公をお守りなすっていらっしゃるんで、その可愛い貴方のた....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、巨刹の峰におわす大観音に詣でる広い道が、松の中を上りになる山懐を高く蜒って、枯
草葉の径が細く分れて、立札の道しるべ。歓喜天御堂、と指して、……福徳を授け給う…....
「水の女」より 著者:折口信夫
表筒男・中筒男・底筒男の神あり」というのがある。これも表現の上から見れば、水中の
草葉・瑞々しい葉などを修飾句に据えたものと考えていたのらしい。変った考えでは、み....
「女難」より 著者:国木田独歩
くれぐれも女に気をつけろと、死ぬる間際まで女難を戒しめ、どうか早く立身してくれ、
草葉の蔭から祈っているぞと言って死にました。けれどもどうして立身するか、それはま....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
本望をとげました。先生のお蔭でございます。一生忘れはいたしません。兄もどんなにか
草葉の蔭で、喜んでいることでございましょう。おそらく修羅の妄執も、これで晴れたこ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、もったいなさに、天の冥加も、いと可恐しい。せめて夫へ言訳のため、死んでおわびは
草葉の蔭と、雨に出て行く夜空の涙…… それから屋敷町の暗夜へ忍んだ、勿論、小禄....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
協うべきか、いわゆる「父の菩提」を吊い得べきか。墓標は動かず、物いわねど、花筒の
草葉にそよぐ夕風の声、否とわが耳に囁くように聞ゆ。これあるいは父の声にあらずや。....