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草藪
「草藪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
草藪の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
た桑畑に見え隠れして動いて行った。行く先には田があったり畠があったりした。川原の
草藪の中にはやはりキリギリスが鳴いた。 河岸の渡し場では赤い雲が静かに川にうつ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
精ひげが風にしなっていた。
女どもが嗚咽《おえつ》した。だが彼女らの泣き声は、
草藪の底を流れるトウベツ川の瀬音にかき消された。川の水は、辛うじてここに辿りつい....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
えると眼の前に一筋の野径が横断して、それに接して彼方へ、見渡すような広い畑地と、
草藪の原が展けていた。私は殆ど驚喜してこの広い展望から眼が放せなかった。 それ....
「変災序記」より 著者:田中貢太郎
めに仕事をする気になれないので、籐の寝椅子によっかかりながら、ガラス越しに裏崖の
草藪の方を見た。漆の木、淡竹、虎杖、姫|日向葵の葉、そうした木草の枝葉が強い風に....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
の丘を受け持つ事になったから僕は叔父さんと二人してほとんど足も入れられないような
草藪の中をかき分け踏み分けやっとの思いで程よいところに持ち場の本陣を据えた。 『....
「丘の上」より 著者:豊島与志雄
。」 「漁船の……。」 「ええ。」 「全く妙な景色だ……。」 「どうして。」 「
草藪ばかりの、上に七八本の木立があるきりの、平凡な丘と、ただ平らな畑の眺めと、そ....
「草藪の中」より 著者:田中貢太郎
来たので旅館へ帰りかけたところで、本門の方から往くと遠くて無趣味であるから、その
草藪を通って旅館の裏手から入ろうとしているところであった。 虫の音はますます冴....