草餅[語句情報] » 草餅

「草餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

草餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
つが壁に釣されたのを見てもウンザリする。淡雪の後の道をびしょびしょ歩みながら、「草餅はいりませんか」と呼んで来る女の声を聞きつけるのは嬉しい。 三月の末か四月....
田舎教師」より 著者:田山花袋
。菓子は好物のうぐいす餅、菜は独活にみつばにくわい、漬け物は京菜の新漬け。生徒は草餅や牡丹餅をよく持って来てくれた。 利根川の土手にはさまざまの花があった。あ....
縮図」より 著者:徳田秋声
紫色の濛靄が沖に立ちこめ、日和山の桜の梢にも蕾らしいものが芽を吹き、頂上に登ると草餅を売る茶店もあって、銀子も朋輩と連れ立ち残雪の下から草の萌え出るその山へ登る....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
四 四月になる。愈春だ。村の三月、三日には雛を飾る家もある。菱餅草餅は、何家でも出来る。小学校の新学年。つい去年まで碌に口も利けなかった近所の喜....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、晃平の言うところによると、西山の村では、この牛蒡の葉を、餅や団子に捏ね入れて、草餅を作るそうだ、蓬のように色が好くはないが、味は宜いと。 一夜作りの屋根――....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
誰かがベッと、唾を吐いて、そう叫びました。それが聞えたのか、ルナ・アミーバーは、草餅をふくらませたように、プーッと膨脹を始め、みるみるうちに、硝子樽一ぱいに拡が....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
。 此際は蕨のみならず、蓬も多く採りたり。其時|直に用うる時は、黍と共に蓬を以て草餅として喰する時は、珍く味あるを何れも喜んで喰するによりて、大に経済上に於て益....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ならわたしが盛《も》ってあげますよ」 「ちょッ! この飯じゃアねえや。こうッと、草餅よ。はははは、くさもちは、どうでエ?」 「くさもちはありませんが、かき餅が名....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しきりにお母さんがおっしゃり私もその心持です。いろいろ、お味噌だの、かきもちだの草餅だの外郎《ういろう》だの小さいすりこぎだの頂いてかえるの。私を可愛がってくれ....
雀の宮物語」より 著者:田中貢太郎
るかい」 「あ、そうだ、そうだ、よい処へ気がついたよ」 女と談合をすました男は草餅を三つばかりこしらえて、其の一つの餅の中へ二三本の木綿針を包んで何喰わぬ顔を....
」より 著者:佐藤垢石
った。それから、千葉県の手賀沼へも二、三回鮒釣りに連れていった。そして、帰り途に草餅や串カツなども釣った。 海釣りにも誘ったが、娘は同意しなかった。伜は、伊豆....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
la Schroet.=Agaricus fimicola Fries. 昔の草餅、今の草餅 草餅に昔の草餅と今の草餅とのふた通りがある。昔の草餅は今日はほ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
むかついてくるしね。悪く行き合せると、田舎の事だから牡丹餅をこしらえてる、餡粉の草餅を揉んでる。まあまあ、どうぞお一つ、それやアお一つ、てこ盛りで、勧め方があく....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
なつかしい景色である…… ――――――――――――――― ……金竜山浅草餅の、震災後、いさましい進出をみせたのが、商売にならないかしてたちまちまたもと....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
あっても、それらしい感じは起らない。明日は旧三月節句に当るので、路傍のどの家でも草餅を搗いていた。若い娘や子供などが田舎風に着飾って歩いているのも、土地に調和し....