»
荊
「荊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
なか》れ。』耶蘇《やそ》さえ既にそう云ったではないか。賢人とは畢竟《ひっきょう》
荊蕀《けいきょく》の路《みち》にも、薔薇《ばら》の花を咲かせるもののことである。....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
時に、彼を窘《くるし》めたものは、独りこの猶太人ばかりではない。あるものは、彼に
荊棘《いばら》の冠《かんむり》を頂《いただ》かせた。あるものは、彼に紫の衣《ころ....
「或る女」より 著者:有島武郎
て、しばらく写真を見分けていたが、
「はああれか。あれはねわたしの妻子ですんだ。
荊妻《けいさい》と豚児《とんじ》どもですよ」
といって高々と笑いかけたが、ふと....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
時には、それから結果される影響などは考えてはいられない筈だ。自分の罪に苦しんで、
荊棘の中に身をころがして、悶えなやんだ聖者フランシスが、その悔悟の結果が、人類に....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
矢が透っていた。 黄衣婦人 唐の柳宗元先生が永州の司馬に左遷される途中、
荊門を通過して駅舎に宿ると、その夜の夢に黄衣の一婦人があらわれた。彼女は再拝して....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だして雨霧に覆われてからは、ただ足にまかせて密林のなかを彷徨いはじめた。泥濘は、
荊棘、蔦葛とともに、次第に深くなり、絶えず踊るような足取りで蟻を避けながら、腰ま....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
丈夫は、いわゆる剣侠のたぐいであることを、役人は初めてさとった。 鏡の恨み
荊州の某家の忰は元来が放埒無頼の人間であった。ある時、裏畑に土塀を築こうとすると....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
を上げて、道を左へ片避けた、足の底へ、草の根が柔に、葉末は脛を隠したが、裾を引く
荊もなく、天地閑に、虫の羽音も聞えぬ。 三 「御免なさいまし。」 ....
「父」より 著者:金子ふみ子
崖下につき落すと母を脅かした。夜だから見えないが、昼間はよくわかる、あの、灌木や
荊がからみあって繁っている高い崖下へである。 弟は驚いて母の背中で泣きわめいた....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
り、ふッくりした頬も肉落ちて、裾も袂もところどころ破れ裂けて、岩に縋り草を蹈み、
荊棘の中を潜り潜った様子であるが、手を負うた少年の腕に縋って、懐紙で疵を押えた、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
て耳馴れぬもの、眼馴れぬものは頭から疑われる。 で、われ等の仕事が、前途幾多の
荊棘に阻まれるべきは、元より覚悟の前であらねばならぬ。われ等の啓示は往々にして、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
にして、寺院にはすこぶる広壮なるものあり。草木は台湾南部に似て、芭蕉、檳榔および
荊竹多し。また、水牛を用うることも台湾に同じ。小舟は木身竹屋より成り、竹を編みて....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ましょう。しかしその華やかにして遠慮がちな新婚生活は、一心同体となって勇ましくも
荊棘多き人生行路を突き進まんには、余りに果なき生活であります。 恋愛は、男女対....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
立派なお家を御相続遊ばされる輝かしいお身柄。一方は生れながら暗い運命を背負って、
荊棘の道を辿らねばならぬ貧しい私生児。 花の児には父君にあやかるようにと、旦那....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
タイピストになって働く決心をしました。働いて自活します。針の蓆に座っているより、
荊棘の道を勇敢に掻き分けて進みます。養父に云わせると私の父は気狂いだったそうです....