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荒
「荒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
思わずにいた。」
「つまりまず賊中の豪なるものでございましょうな。なんでも以前は
荒尾但馬守様《あらおたじまのかみさま》のお供押《ともお》しか何かを勤めたことがあ....
「影」より 著者:芥川竜之介
ていたのも、――おれの妻を、――房子を――」
彼の言葉は一度途絶えてから、また
荒々しい嗄《しわが》れ声になった。
「お前だろう。誰だ、お前は?」
もう一人の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ゲエル家《け》の客間を飛び出しました。それはちょうど家々の空に星明かりも見えない
荒れ模様の夜です。僕はその闇《やみ》の中を僕の住居《すまい》へ帰りながら、のべつ....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
、いやにおひゃらかしやがる。」なんて云った人もある。船着だから、人気《にんき》が
荒いんだ。が、見たところ、どうもお徳が嘘をついているとも思われない。もっとも眼は....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ゆがれ》の庭は寂しかった。庭の向うに続いた景色も、曇天を映した川の水と一しょに、
荒涼を極めたものだった。が、その景色が眼にはいると、お蓮は嗽《うが》いを使いがら....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
です」などと、さもしいことを並べていた。が、その手も利《き》かないのを見ると、手
荒に玄関の格子戸《こうしど》をしめ、やっと門外に退散した。自分はこの時こう云う寄....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
思想家である、その田代君がこんな事を云い出す以上、まさかその妙な伝説と云うのも、
荒唐無稽《こうとうむけい》な怪談ではあるまい。――
「ほんとうですか。」
私が....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
木となるそうである。のみならず釈迦は生まれる時、彼の母を殺したと云う。釈迦の教の
荒誕《こうたん》なのは勿論、釈迦の大悪《だいあく》もまた明白である。(ジアン・ク....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
口論をした。その時分から冷静な兄は、彼がいくらいきり立っても、ほとんど語気さえも
荒立てなかった。が、時々|蔑《さげす》むようにじろじろ彼の顔を見ながら、一々彼を....
「死後」より 著者:芥川竜之介
針を透《とお》していた。しかし僕はその声にたちまち妻の※《うそ》を感じ、少し声を
荒らげて言った。
「だって櫛部寓って標札《ひょうさつ》が出ているじゃないか?」
....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
見ると、片手に子供を抱《いだ》きながら、片手に「人の子」の肩を捕えて、ことさらに
荒々しくこずきまわした。――「やがては、ゆるりと磔柱《はりき》にかって、休まるる....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
をふり上げました。 丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く音が、突然
荒々しく聞え始めました。 二 その日のかれこれ同じ時刻に、この家の外....
「狂女」より 著者:秋田滋
十二人のうちには少佐がひとりいた。これがまた、ひどく頑冥な老朽士官で、鼻ッぱしの
荒い、気むずかし屋だった。 最初の幾日かのあいだは何ごともなく過ぎた。その将校....
「初雪」より 著者:秋田滋
っていたが、右のほうには隙間があって、そこからは遠く農園のあたりまで伸びている、
荒れ放題に
荒れた野原が見えた。間道が一条、柵のまえを通っていた。そこから三|粁離....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
して田舎の女性たちには相当尊敬されるもので、のんきな紳士風の人間のように思われ、
荒っぽい田舎の男たちにくらべれば、はるかにすぐれた趣味や才芸もあり、じっさい、学....