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荒くれ
「荒くれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒くれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
鵞絨《ビロード》のように滑かな空気は動かないままに彼れをいたわるように押包んだ。
荒くれた彼れの神経もそれを感じない訳には行かなかった。物なつかしいようななごやか....
「星座」より 著者:有島武郎
つけたまま、高々とそそり立つ名物の「香い桜」。朝の光の中で園がそれを見返った時、
荒くれて黝《くろ》ずんだその幹に千社札が一枚斜に貼りつけられてあって、その上を一....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
た。そして君はまっしぐらに労働生活のまっただ中に乗り出した。寒暑と波濤と力わざと
荒くれ男らとの交わりは君の筋骨と度胸とを鉄のように鍛え上げた。君はすくすくと大木....
「親子」より 著者:有島武郎
煙草道具と背負い繩とを腰にぶら下げていた。短い日が存分西に廻って、彼の周囲には、
荒くれた北海道の山の中の匂いだけがただよっていた。 監督を先頭に、父から彼、彼....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
足は、心よりも先に、その方に踏みだしていた。温い湯気の洩れる暖簾をくぐって、僕は
荒くれた二、三人の先客の間に割りこんだ。釜の向うでワンタンを鉢にうつしていた白い....
「地中魔」より 著者:海野十三
はないか。 ――さてここはどこだか判らないが、奇妙にも窓が一つもない室である。
荒くれ男が五六人、円卓を囲んでいる。正面にふんぞり返っているのは、どこをどう逃げ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
眼にあわせおったのだ。あいつはほんとに闇のなかでも眼が見えるらしい」 さすがの
荒くれ男も、気味悪そうに顔を見合せた。 「それじゃ、先生、あいつがまた、この山塞....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
まわすのだ。けしからん」 房枝の気持は、とつぜん、彼女のうしろに爆発した仲間の
荒くれ男のことばに、うちやぶられた。 彼等は、かいこだなのように、まわりの壁に....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
。気をつけないといけないわ。この村のげじげじ牧師のネッソンが、見慣れない七八人の
荒くれ男を案内して、下から登ってくるわ。あたし望遠鏡で、それを見つけたのよ」 「....
「怪塔王」より 著者:海野十三
つづけています。 「どうだ、降参か!」 と、叫んでは投げ、どなっては投げ、敵の
荒くれ男をころがしました。 ルパシカ男も黒人も、地上に匐って、うんうんうなって....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
共産党員のケレンコとリーロフというのは、どっちも男だ。ところがあの二人は、一人は
荒くれ男だけれども、もう一人の方はお婆さんではないか。するとこれは、別人かな) ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ったか。 警務班長のマットン中佐が先頭にたち、あとにはヨコハマ・ジャックなどの
荒くれ男が四、五人つきしたがい、その一行の真中には、半裸体のまま両手に手錠をかけ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
れぬが、辻町の目にも咄嵯に印したのは同じである。台石から取って覆えした、持扱いの
荒くれた爪摺れであろう、青々と苔の蒸したのが、ところどころ※られて、日の隈幽に、....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
此の頃の私の元気見てお呉れ 手首つかめば少し肥えたよ 仕事から仕事追い行く北海の
荒くれ男俺もその一人 雪よ飛べ風よ刺せ何 北海の 男児の胆を錬るは此の時 ホロベ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
恋敵にさんざんのわるさをするよりほかなかった。イカバッドは、ボーンズとその一党の
荒くれ騎士たちに妙な工合に苦しめられるようになった。彼らは今まで平穏だった先生の....