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荒さ
「荒さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
この前に見た時よりもずっと古びを加えていた。おまけにお墓のまわりの土もずっと霜に
荒されていた。それは九日に手向けたらしい寒菊や南天の束の外に何か親しみの持てない....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
のまわりにあったものは、この二つぎりでございます。が、草や竹の落葉は、一面に踏み
荒されて居りましたから、きっとあの男は殺される前に、よほど手痛い働きでも致したの....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
から見つけ出して、忙しく目を見かわし、言葉をかわす暇もなく、浜の上には乱暴に踏み
荒された砂と、海藻と小魚とが砂まみれになって残っているばかりだ。そして会社の人夫....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
へかえるが、夜が明けると雀のように唄いながら餌をあさりに出てしまった。 作物を
荒された村人は、よく親父のところへ抗議するのだったが、親父先生は返事もしなかった....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の嫌われ者となっている。維新の革命で江戸の洗練された文化は田舎侍の跋扈するままに
荒され、江戸特有の遊里情調もまた根底から破壊されて殺風景なただの人肉市場となって....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
の方がちっと上だよ」 「しかし袋猫々も、まさか自分が旅行に出た留守に、自分の巣を
荒されるとは気がついていないでしょうね」 「汽車に乗ってごっとんごっとんと東京を....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
った物があったら、一つところへ集めておかせるんだ。せっかくの証拠物などを他の者に
荒されたんでは、わたしたちは大迷惑だからな。場合によっては、職権妨害罪をあてはめ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
リーマン博士がよくこれを許したものだと思う。もちろんイレネが僕たち記者連の鼻息の
荒さを艇長に伝えて艇長を動かしたせいもあろう。 ベラン氏だけは、ついに仲間外れ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
が急に悪化し、そして十九日目に死んでしまった。解剖してみると、造血臓器がたいへん
荒されており、骨髄、膵臓、腎臓などがいけなかった。これは放射物質による害そのもの....
「海底都市」より 著者:海野十三
の棒をさしこんで、こんな目にあわすんだからね。かりに君たちの居住区が、こんな風に
荒されたと考えてみたまえ。君たちはそのときどんなに怒りだすことか」 「ごもっとも....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
は大きいムッとするものを感じたせいではなかったか。 (伝統の銀座を、横浜の奴等に
荒されてたまるものかい) 若い私には無体にそいつが癪にさわった。私は覘う相手か....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
件直後のとおりにしてありますから」 「いや有難う」 係官たちは、現場がすこしも
荒されずに保存されたことについて、帆村に感謝したのだった。帆村は私を促して、別室....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
行きました。実験室へ一行は入ってゆきましたが、泥田のように多勢の人々によって踏み
荒された室内の有様を一目見た警部は、とうとう怺えかねたものと見えて「しようがない....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
たましいは、車上からこの町をめずらしく、おもしろく見物した。革命と戦火にたびたび
荒されたはずのこの港町は、どういうわけか、どこにも被害のあとが見られなかった。そ....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
いていられなかった。美和子に案内させ、主人の書斎へ馳けつけた。 室内はすっかり
荒され、散乱した書類の中に、有松は朱に染って倒れていた。その右手にはピストルがか....