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荒れ地
「荒れ地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒れ地の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ざら手から洩《も》れ、冷たい風が終日海から吹きあげ、針葉樹も満足に育たないような
荒れ地であったから。彼らの顔に浮ぶ不安と動揺は見のがせない。ようやく納得してやっ....
「花物語」より 著者:寺田寅彦
地があった。維新前には藩の調練場であったのが、そのころは県庁の所属になったままで
荒れ地になっていた。一面の砂地に雑草が所まだらにおい茂りところどころ昼顔が咲いて....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
た。せっかくはえたものをむざむざむしり取るのが惜しいと思われた。旧城趾やその他の
荒れ地に勢いよく茂った雑草は見るから気持ちがよかった。そういう所にねころんで鳥の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
田舎《いなか》の方へ逃げようとして、孤立した小屋や板囲いの建築足場などが立ってる
荒れ地を横ぎっていった。彼は殺害心を起こしていた。かかる侮辱を自分に加えた男を殺....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
やしていた。苦悩の鋤《すき》の刃は心を引き裂きながら、生の新たな泉を開いていた。
荒れ地はふたたび花を咲かしていた。しかしそれはもはや昨春の花ではなかった。一つの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
《むち》を振り上げながら、長い角を生やした銀鼠《ぎんねず》色の大きな牛の群れを、
荒れ地を横ぎって追いたてていた。まっすぐな埃《ほこり》っぽい露《あら》わな古い大....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
方へ行った。
その街路の中ほどに、ある所はまたげそうな低い壁があって、向こうは
荒れ地になっていた。そこを通る時分には、彼はすっかり考え込んでゆっくり足を運んで....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
グ・リラの切通しのかなた、西蔵高原の風雪に櫛けずられた広袤一千リーグ(方千里)の
荒れ地の果てで、眼をおどろかす荘厳華麗な大都市の実在《プレザンス》に接しようなど....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
がある。ここは広い牧場で外国から来たいろいろの草が生えていた。そのとき同地の畑や
荒れ地にこのワルナスビが繁殖していた。 私は見逃さずこの草を珍らしいと思って、....
「百姓マレイ」より 著者:神西清
村を去るのが残念でたまりませんでした。わたしは打穀場のうらてをぬけて谷へくだり、
荒れ地のほうへのぼって行きました。谷の向こうがわから森のところまでずっとつづいて....
「詩劇「水仙と木魚」」より 著者:三好十郎
うあばれ者のことで することがむちゃくちゃだ 当山の住職も、最初のうちは、たかが
荒れ地の十坪あまりのことだ 次第によっては黙って隣りに進呈してもよいと思われたそ....