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荒彫
「荒彫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒彫の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、あの山のように少しも動きませんわ。ここへ来てからというもの、体身《からだ》中が
荒彫りのような、粗豪な塊《マス》で埋《うず》められてしまい、いつも変らず少し愚鈍....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
たもので、部分的にも全体的にも華麗円満な演出を理想としている。金春を下絵、金剛を
荒彫りとすれば、観世は彫り上げて磨きをかけて角々を丸くしたようなもので、見方によ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ない教会の玄関の前に着いたのです。 入り口には、いくらかの彫刻が施してあるが、
荒彫りの砂岩石の柱が二、三本と、またその柱と同じ石の控え壁をもっている瓦ぶきの屋....
「回想録」より 著者:高村光太郎
。七、八寸ある像だが、非常な手間をかけて本仕上げに仕上げたものである。 昔は、
荒彫りをするこなし専門の人と、仕上げ専門の仕上師とがあって、分業になっていた。小....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
通い充分注意を致して仕事に取り掛かりました。 仕事は私一人でなく、弟子を使い、
荒彫りは自分がして、仕上げは弟子にも手伝わせ、まず滞りなく仕事を終って首尾|能く....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ります。まず、雄鶏の方から初めました(木彫りの順序は鑿打ちで形を拵え、鑿と小刀で
荒彫り、それから小作り、仕上げとなる)。無駄をしていたわけではないが、前述のよう....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
この時一緒に引っ越しました。モデルの猿は用が済んで飼い主に返しました。仕事の方は
荒彫りが済んだ処で、これから仕上げに掛かろうというところでした。初めよりも目方で....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
せねばならぬし、この像も、今宵のうちに、住持におねがいしておこう」
ざっとした
荒彫りではあった。けれど武蔵にとっては、自分のたましいを打ちこめ、慚愧の涙をもっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
―しかしそういって雲間の切れを仰いでいる後醍醐のおん眉は、この君の超人的な資質を
荒彫りの鬼神仮面みたいにくッきり抉り出しておられた。 藤房はあわてて涙を拭い。....