荒波[語句情報] » 荒波

「荒波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荒波の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「第五氷河期」より 著者:海野十三
がて、どーん、どーんと、巨砲をうちでもしたような音とかわった。そのころ、室内は、荒波にもまれる小舟のように上下左右に、はげしく揺れ、壁土は、ばらばらと落ちる、窓....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、四季絶える事のない忙しい漁撈の仕事にたずさわりながら、君は一年じゅうかの北海の荒波や激しい気候と戦って、さびしい漁夫の生活に没頭しなければならなかった。しかも....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
であろう。府下の同業者なども、これまで幾度かあった不景気騒ぎには、さいわいにその荒波に触るるの厄をまぬがれてきたのだが、去年という大厄年の猛烈な不景気には、もは....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
後に列を作って、巻いては飛び、巻いては飛びます。巌にも山にも砕けないで、皆北海の荒波の上へ馳るのです。――もうこの渦がこんなに捲くようになりましては堪えられませ....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
ては投げられ、掴んでは倒され、捲き上げては倒されました。 私は――白昼、北海の荒波の上で起る処のこの吹雪の渦を見た事があります。――一度は、たとえば、敦賀湾で....
「取舵」より 著者:泉鏡花
洋々たる外海にて、快晴の日は、佐渡島の糢糊たるを見るのみなれば、四面※茫として、荒波山の崩るるごとく、心易かる航行は一年中半日も有難きなり。 さるほどに汽船の....
「多神教」より 著者:泉鏡花
見事やの。（しゃがれた笑）おほほほほ。（凄く笑う。） 吹つのる風の音｜凄まじく、荒波の響きを交う。舞台暗黒。少時して、光さす時、巫女。ハタと藁人形を擲つ。その位....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
客扱いと、商売上の繰廻しをグングン押切って奮闘する勝気が必要なんだが、幸い人生の荒波の底を潜って活きた学問をして来た女がある」と、それから今の女の教育が何の役に....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
つ航走す。夜に入りて船の動揺ことにはなはだし。 四方の海いと広けれど、たぐひなき荒波たつはマゼランの瀬戸 二十三日、曇り。風ようやくしずまり、雨また収まるも、....
「黒い旗物語」より 著者:小川未明
か変わったことがなければいいと思った。」 と、老人がいっていました。 「よくこの荒波の上を航海して、この港近くまでやってきたものだ。なにか用があって、この港にき....
「馬を殺したからす」より 著者:小川未明
りません。どろ臭くて骨が堅うございましたけれど、容易に捕ることができましたので、荒波の上で、仕事するように骨をおらなくてすんだのであります。 かもめは、もうず....
「北海の白鳥」より 著者:小川未明
って、海の水はますます青くなりました。空の色はさえてきました。岩が鋭くそびえて、荒波が打ち寄せていました。ちょうどその上へきかかったわしは、くわえているはまぐり....
「薬売り」より 著者:小川未明
わったように元気づいて立ち上がりました。そうして、曇った空に大きく輪を描いて下の荒波を見下ろしながら、どこへともなく飛び去ってしまったのでありました。 太郎は....
「一本のかきの木」より 著者:小川未明
の下に、谷や松林や、また村などをながめて、あるときは、もっと山奥へ、あるときは、荒波の岸を打つ浜の方へと飛んでいき、また、町の方まで飛んでいったことがあります。....
「がん」より 著者:小川未明
ちにつれられて通ったことのある地方は、山があり、森があり、湖があり、そして、海の荒波が、白く岸に寄せているばかりで、さびしい景色ではあったが、人間や猟犬の影など....