荒立つ[語句情報] » 荒立つ

「荒立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荒立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
が出来なかった。その為めに心を紛乱し、得体のしれぬ憎悪、嫉妬、侮蔑のような感情が荒立つ儘に委された。そして到頭私はミサ子の家の近く迄、悪い霊に誘引されて、足を運....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
合わねえが――もっとも、武芸という奴は、出来れば出来るほど、用心深いというから、荒立つことをして、毛を吹いて傷を求めるより、あとでしずかに手だてを凝《こ》らそう....
天守物語」より 著者:泉鏡花
大声は騒がしい。まだ、それも鷹ばかりなら我慢もする。近頃は不作法な、弓矢、鉄砲で荒立つから、うるささもうるさしさ。何よりお前、私のお客、この大空の霧を渡って輿で....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
気分になって来た。私はそんなことを思って打壊された痛い心と、面と向って突掛られる荒立つ心とを凝乎と取鎮めようとしていた。他の二人も暫時黙って座が変になっていた。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
る絶望の念、満たされ得ない創作の妄執《もうしゅう》、虚無の深淵《しんえん》の前に荒立つ自負心、などもあった。あらゆる悪魔が彼のうちにあった。一刻の休息も得られな....
山の神殺人」より 著者:坂口安吾
掛けがそうだから子供がねじ曲がるのだね。公安委員ともあろう人が」 小野の語気が荒立つので、署長が制した。 「小野君は不二男君の事件を担当しているので、情がうつ....
間人考」より 著者:喜田貞吉
我かとてさし出でたるもの、まして物取らす折はいとど。 源氏箒木の巻に、 鬼神も荒立つまじき御気はひなれば、はしたなく、こゝに人どもえ罵らず。 宇津保物語に、....