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荒肝
「荒肝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒肝の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
向《むこう》へむずとばかり、 「手紙は届いたかね」との一|言《ごん》で先ず我々の
荒肝《あらぎも》をひしがれた。 「届きました」と自分が答えた。 「言って来たこと....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
ラ、今から居眠りをするようでは駄目じゃッ」と、髯将軍の銅鑼《どら》声はまず車中の
荒肝《あらぎも》を拉《ひし》ぐ。 汽車、利根川の鉄橋に差し掛かれば、雨はますま....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
を知ったか、なすところもなく呆然として見守っていた大尽一座の者が、いささかばかり
荒肝《あらきも》をひしがれた形で、ぎょッとしながら互いに顔を見合わしているとき、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
と女に酌をとらせていたものでしたから、右門は大声に叱※《しった》すると、まずその
荒肝をひしぎました。 「この生臭めがッ。そのざまはなんじゃ。もう逃がしはせぬぞ。....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
に入れてあるのを受ける為めに、こんな事をしたということが、跡から知れた。同国人は
荒肝を抜かれた。金井君も随分悪い事の限をしたのである。しかし金井君は一度も自分か....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
《とうてい》物にならないから、大きな声を出す山嵐を雇《やと》って、一番赤シャツの
荒肝《あらぎも》を挫《ひし》いでやろうと考え付いたから、わざわざ山嵐を呼んだので....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
なにを!」 ケレンコは、ゴリラのように歯をむいて、太刀川青年の方へちかづいた。
荒肝をひしぐ どこまでも、不運なクリパー号は、この暴風雨のために、方向舵までも....