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荒胆
「荒胆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒胆の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
ぞうさ》に掌の上へすくい上げました。私を囲んでいた友人たちは、これだけでも、もう
荒胆《あらぎも》を挫《ひし》がれたのでしょう。皆顔を見合せながらうっかり側へ寄っ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、誰とも知れず身を投げた、けたたましい水音が、宵闇を破って聞えたそうです。これに
荒胆《あらぎも》を挫がれた新蔵は、もう五分とその場に居たたまれず、捨台辞《すてぜ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
督は、それを見ると、ぶるぶると身ぶるいした。日本刀の持つ底しれぬ力が、この提督の
荒胆をひしいだのだ。 「斬るか。斬るのは待て。な、なにをわしに要求するのか」 「....
「画の悲み」より 著者:国木田独歩
見物人が集っている。二枚の大画は言わずとも志村の作と自分の作。 一見自分は先ず
荒胆を抜かれてしまった。志村の画題はコロンブスの肖像ならんとは! しかもチョーク....
「針木峠の林道 」より 著者:木暮理太郎
は既に十年前の針木峠ではない。あの峠に向って一歩を踏み出した登山者に対して、その
荒胆をひしぐような刻々の不安と期待とに背かなかった自然の儘の針木峠、其姿は最早永....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
それが敵陣へ飛んで行って地上に立ってシュウシュウと火を吹く。こんな事で一揆は大分
荒胆を取られて、そこは百姓の事とて意気地なく忽ちに崩れ立った。こうなると各郡民は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。熟練した立合ぶりです。その技倆の程はまだ知らないが、立ち上って、まず大抵の人の
荒胆も挫《ひし》ぐというやり方。なにしろ真剣の立合を茶飯のように心得たものでなけ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
です。ただ精悍無比《せいかんむひ》……というよりは無茶なその挙動が、すべての人の
荒胆《あらぎも》をひしぎました。気狂いの刃物には、うっかり近寄らないがいいという....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
にはさすが江戸ッ児のキチャキチャ(チャキチャキの誤り)弥次郎兵衛、喜多八でさえも
荒胆《あらぎも》をひしがれたので、この一派は江戸者に対して常に一種の敵愾心《てき....
「斜坑」より 著者:夢野久作
喝采をしたものの、流石の荒くれ男共もこうしたお作のズバリとした思付きに、スッカリ
荒胆を奪られてしまって、その次の瞬間には、水を打ったようにシンとして終ったのであ....
「三国志」より 著者:吉川英治
たが、禰衡はすましたもので、赤裸のまま、ふたたび鼓を取って三|通まで打ち囃した。
荒胆では、人におくれをとらない諸武将すら、度胆をぬかれた顔しているので、たまりか....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
むしろ、これから世のあらゆるものに出会う一歩の門の物試しとうけて、いよいよ生来の
荒胆を、御輿のうちに、すえておられたかもしれない。 こうして、翌二十七日は、金....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るを追い、突然、敵の本拠に現れ、足下らが善後策を講じる間もなく不意を衝いて、敵の
荒胆を挫ぐという――この行き方が、つまり軍学の極意と申すもの」 「…………」 「....