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荒野
「荒野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒野の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
においてのみ見るのであります。
まず溝を穿《うが》ちて水を注ぎ、ヒースと称する
荒野の植物を駆逐し、これに代うるに馬鈴薯《じゃがたらいも》ならびに牧草《ぼくそう....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
や。」 ごろごろと静かな枢戸《くるるど》の音。 台所を、どどんがたがた、鼠が
荒野《あれの》と駈廻《かけまわ》る。 と祖母《としより》が軒先から引返して、番....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
三年の生涯にあって、彼は比類なく深く善い愛の所有者であり使役者であった。四十日を
荒野に断食して過した時、彼は貧民救済と、地上王国の建設と、奇蹟的能力の修得を以て....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
の姿から無上の幸福を作り出す神聖な儀式を行なう口実となった。茶室は寂寞たる人世の
荒野における沃地であった。疲れた旅人はここに会して芸術鑑賞という共同の泉から渇を....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
も弱果てました。処へ、煙硝庫の上と思うに、夕立模様の雲は出ます。東西も弁えぬこの
荒野とも存ずる空に、また、あの怪鳥の鳶の無気味さ。早や、既に立窘みにもなりましょ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
待つこともなしに眠っているのである。外は真の闇で、窓の代りにあけてある壁の穴から
荒野の夜の聞き慣れないひびきが伝わって来た。遠くきこえる狼のなんともいえないよう....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
長い間、兄のために或いは泣き、或いは祈っていたのであるが、ある夜、烈しい風がこの
荒野を吹きまくって、屋根の上に掩いかかっているサイプレスの木がひらひらと鳴ってい....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
には、それが弱い人間の手によって、当然爆発すべき無形の地、すなわち混沌たる政界の
荒野に投げられなければならないということを、われわれに納得させようとしていたが、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
にひろがって、こういうものを即座に現金にかえて、その金を広大な未開地に投資して、
荒野のなかに板ぶき屋根の宮殿をつくることもできよう、などと考えた。いや、彼の性急....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
小文吾が曳手・単節を送って途中で二人を乗せた馬に駈け出されて見失ってしまったり、
荒野猪を踏み殺して牙に掛けられた猟師を助けたはイイが、恩を仇の泥棒猟師の女房にコ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
むよ。僕たちは一人残らずおまえを崇拝しているんだ。おまえが帰ると、この画室の中は
荒野同様だ。僕たちは寄ってたかっておまえを讃美して夜を更かすんだよ。もっともこの....
「九月四日」より 著者:岡本綺堂
う。先月以来照りつづいた空は青々と晴れている。地にも青い草が戦いでいる。わたしは
荒野を辿るような寂しい心持で、電車道の方へ引返した。(大正十三年九月)....
「宝石商」より 著者:小川未明
ろう。そして、そのうちに手足は凍えて、腹は空いて、自分は、このだれも人の通らない
荒野の中で倒れて死んでしまわなければならぬだろうと考えました。 ちょうど、その....
「春になる前夜」より 著者:小川未明
見ていますと、おおかみは、急に腹だたしそうに、もう一|度高い声で叫びをあげると、
荒野を一|目散に、あちらへと駆けていってしまったのです。すずめはしばらく、その後....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
性質を持っております。一を払えば一起り、尺を刈ればまた尺というふうに、遼々無限の
荒野を行くようなものであります。この様子を、般若心経は実に要領よく道破しておりま....