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荒鷲
「荒鷲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荒鷲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
ンタア・ボックスの少女の方をちらと見あげた。断髪の少女は、花のように笑った。私は
荒鷲《あらわし》のようにたけりたけって、グラスをつかんだ。飲んだ。ああ、私はその....
「ごんごろ鐘」より 著者:新美南吉
った。四郎五郎《しろごろう》さんの家《いえ》の正男《まさお》さんは、海《うみ》の
荒鷲《あらわし》の一人《ひとり》で、いま南《みなみ》の空《そら》に活躍《かつやく....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
櫓楼船が浮彫になっていた。そして、その舳の中央には、首のない「ブランデンブルクの
荒鷲」が、極風に逆らって翼を拡げているのだった。そういう、一見|史文模様めいた奇....
「ニイチェに就いての雑感」より 著者:萩原朔太郎
見して、無限の退屈な欠伸をしながら、厭がらせの皮肉ばかりを言ひ続けた。一方であの
荒鷲のやうなニイチェは、もつと勇敢に正面から突撃して行き、彼の師匠が憎悪して居た....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
魯該《イルガイ》、蒙力克《モンリク》の二将軍の率いる、進むを知って、退くを知らぬ
荒鷲と称する騎兵軍団でござります。 札木合《ジャムカ》 (募り来る不安を隠し)な....
「火星兵団」より 著者:海野十三
よ始るぞ。九時をうたせても、鼠一匹出て来なければ、ことごとく先生の失敗に終る!」
荒鷲の巣へしのびよって、巣の中の卵へ、いよいよ手を、にゅっとのばした猟師のように....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
が暁闇の波浪をのりきって驀進しつつある。そのうちに、灰色の雲間を破って、わが海の
荒鷲隊が勇姿を現すことであろう。主力艦隊も、堂々とこちらへ前進しつつあるのにちが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の子が――もしや、米友さん――あの人は小さいから、もしや子供と間違えられて、あの
荒鷲の餌食に覘われているようなことはないか。ああして一心に木の根を掘っているとこ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
埋もれて蹲る清い膚と、美しい黒髪とが、わななくのを見た。この一雫が身に染みたら、
荒鷲の嘴に貫かれぬお雪の五体も裂けるであろう。 一言の答えも出来ない風情。 ....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
。 「あッ!」ピストルは、甲板に落ちた。僕は、素早くそれを拾おうとしたが、同時に
荒鷲のような手がそれに伸びた。 「何を!」 「やるか」僕と、べつな水夫とは、野獣....
「風俗時評」より 著者:豊島与志雄
、注目に価する。そしてこれは勿論、戦地に於ける我が軍用飛行機の壮挙、渡洋爆撃とか
荒鷲とかいう言葉が明示するような壮挙によって、飛行機の実効的性能が市民の心に感銘....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
、やはり躊躇した。彼はただうなずいて別れた。 老巧の弥太郎のいう通り、さすがの
荒鷲も青天の白昼には余りに姿を見せないで、多くは早暁か夕暮れに飛んでくる。殊に雁....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
すなわち、これを書きなおすと、『ヨコハマ、アラワシテウ、アヘンクツ』だ。『横浜、
荒鷲町、阿片窟』だ……」 言い終わって俊夫君は勝ち誇った笑いを浮かべました。私....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
うから、もう帰ったらよかろう。」と吉五郎が言う。ぬくめ鳥のような六三郎はようよう
荒鷲の爪から放されて、たくさんの祝儀を貰って、元のように子分たちに送られて帰りま....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
約束は忘れませんね。」 「忘れない、必然忘れない。」 お葉は初めて手を弛めた。
荒鷲の爪から逃れ出た温め鳥のように、冬子は初めてほッと息を吐いたが、髪を振乱した....