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荷主
「荷主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
荷主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
の商売を営んでいる。したがって取引上の必要があって、奥の方から大連へ出て来る豆の
荷主《にぬし》と接触しなければならないのだが、こっちの習慣として、こう云う
荷主は....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
もう四、五年も前から、下海道辺の問屋でも今渡(水陸荷物の集散地)の問屋仲間でも、
荷主まで一緒になって、みんな申し合わせをしたことよなし。ところが今度という今度、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
る、万一、これを破るものは軍法によって捕虜とせられ、その積み荷は没収せられ、局外
荷主の品たりとも連累の禍いを免るることはできないと心得よ。日本国と合衆国との条約....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
急いで枯草《かれくさ》を車へのせ、その上をロープでしっかりしばりつけた。それから
荷主の農夫が、パイプをくわえたまま、トラックの運転手にいった。 「とにかくカッタ....
「夜の靴」より 著者:横光利一
んな温泉宿というものを見たことがない。泥宿めいた混雑の中にこうしている男が、私の
荷主になるのかと思うと、少し私も躊躇した。誤れば私の財産の半分はこれで失うのだ。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、神奈川関門番人並に積問屋共へ申合せ、所謂《いはゆる》世話料受取り、荷物運送まで
荷主に拘はらず自儘取扱ひ、不正の口銭貪り取候事、右糸会所取立三井八郎右衛門始め組....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
議に建設的な光りを知っているでしょうか、荷物が繩でくくられゆられてゆくとき其々の
荷主のこころをつたえて鳴るものとしたら、今の東京のぐるりの街道ばたの人々はああし....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
道で京城に行きましたが、調査して驚いたことは松の実の暴騰が仲買人の責任でもなく、
荷主が悪いのでもなく、全くこれは私たち自身が値上げをしたようなものであったのです....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
引の上手のように教える人がありますが、これはとんでもない誤りであります。 問屋
荷主に不安や不快を与えるほど仕入の上に不得策はありません。またこの小策を要する商....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
んものでございますが、茲に下野国安蘇郡飛駒村に吉田八右衞門という人が、後に多助の
荷主に相成りますが、此の人が三十五歳になるまで江戸へ出た事がありませんのは、此の....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
宗像、早良の大地主、箱崎、姪の浜の網元なんどを初め福岡博多の大旦那衆、上方下りの
荷主なんども、一度はお熊の壺振りを見に来るという勢いで御座いましたそうで、何を申....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
、仲買が声を嗄《か》らす。一方では競売《せり》が始まっていると思うと、こちらでは
荷主と問屋が手を〆《し》める。雑然、紛然、見る眼を驚かす殷賑《いんしん》。 源....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
代の商人の女房には似合わしからない贅沢三昧に白子屋の身代を殆ど傾け尽して了った。
荷主には借金が嵩んで、どこの山からも荷を送って来なくなった。このままでいれば店を....
「黒船前後」より 著者:服部之総
して南シナ海、インド洋および太平洋の女王だった。ところが一八六三年にとある果敢な
荷主が出て、上海《シャンハイ》からロンドンまで一千二百五十トンの新茶を蒸汽船ロバ....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
とんど向く客がない。実は今度、倶楽部へ出す客の荷の中にあったのですが、お望みなら
荷主にはなして先へお取りになっておけば、倶楽部でお取りになるよりはお安くもなりま....