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「荷造り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荷造りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
る。 「早くしてくれ。早く。――早くしないと、大変だから。」 常子はやむを得ず荷造りに使う細引を一束《ひとたば》夫へ渡した。すると彼はその細引に長靴の両脚を縛....
或る女」より 著者:有島武郎
ぎた。葉子は今の心と、けさ早く風の吹き始めたころに、土蔵わきの小部屋《こべや》で荷造りをした時の心とをくらべて見て、自分ながら同じ心とは思い得なかった。そして門....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
それから仁右衛門のいうままに妻は小屋の中を片付けはじめた。背負えるだけは雑穀も荷造りして大小二つの荷が出来た。妻は良人《おっと》の心持ちが分るとまた長い苦しい....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
吉の店の前を通り掛ると、厚子《あつし》を着た柳吉が丁稚《でっち》相手に地方送りの荷造りを監督《かんとく》していた。耳に挟《はさ》んだ筆をとると、さらさらと帖面《....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
、これを一連の映画に撮影したものを多数こしらえ、映写機及びその回転動力とをつけて荷造りしたものを数百台用意し、これをかの怪人城塞の近くに投下させることにした。 ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
。でかけるが、きみの準備はいいかい」 「待ってください、伯父さん。ぼくはこれから荷造りをするのです」 「おやおや、そうかい。……でもまだ三十分時間があるね」 ....
」より 著者:金子ふみ子
づかいが今は女に向けられたのである。 もう秋だった。父は叔母のために、旅に立つ荷造りをし、私の家にあった一番上等の夜具までもその中に包みこんだ。 母は弟をお....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
汽船にのりこもうという日の前日のことであった。が、その日家中が出発の準備のため、荷造りやなにやかやでごったがえしの忙しさの中にあるのにもかかわらず、正太は夜に入....
○○獣」より 著者:海野十三
。そのとき敬二はいい隠れ場所をみつけた。それは外国人がホテルへついて荷物を大きな荷造りの箱から出したその空箱がいくつも重ねてある場所であった。敬二はそのうちで一....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
さあ、ご自分で着物をお着なさい。行きましょうよ」と、彼女は自分が持って来た小さい荷造りを見せながら言いました。「ぐずぐずしているから馬がじれて、戸をぼりぼりと噛....
故郷」より 著者:井上紅梅
睡くなって来た。そこでまた閏土の話を持出した。母は語った。 「あの豆腐西施は家で荷造りを始めてから毎日きっとやって来るんだよ。きのうは灰溜の中から皿小鉢を十幾枚....
火の扉」より 著者:岸田国士
の情熱をみせて、康子を心からほゝえませた。 で、あとは、もう一度自分が附いて、荷造りと運搬の指図をしに来るから、残りの金はその時にとはつきり言い、娘は父親とそ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
と頂きました花瓶なんですがね、可なり大きさのあるこわれものですから、お店で、すぐ荷造りをして頂くか、それとも一旦、宿の方までお受取りしようか、……とにかく、もう....
変身」より 著者:カフカフランツ
だ一人の人間なのだということをはっきりと意識していた。「すぐ服を着て、商品見本を荷造りし、出かけることにします。あなたがたは、私を出かけさせるつもりでしょうね?....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
示さなければならん訳であるから、この書物類はすべて持って帰る。ついてはこの書物を荷造りをして持って行くようにしなければならず、またこの荷物を運送しなければならん....