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「荷駄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

荷駄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
の嘶《いなな》くのが谺《こだま》して聞えた。 馬士《まご》が戻《もど》るのか小荷駄《こにだ》が通るか、今朝一人の百姓に別れてから時の経ったは僅《わずか》じゃが....
まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
ば》おかみ、 二つたべたときゃ、一対たべていた。 水車場《すいしゃば》がよいの小荷駄《こにだ》うま、 てくるときゃ、じっとたっちゃいなかった。 拇指《おやゆび》....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
江守 後備 中条越前守 古志駿河守 後押 甘粕近江守 小荷駄(輜重)直江大和守 さて一般士卒には、 一、明十日御帰陣の旨|仰出さる。尤....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
つ附けた白旗七本を押し立てて四千余騎、粛々として進発した。家康は兵八百を率い、小荷駄千二百駄を守って大高城二十余町の処に控えて居た。前軍は鷲津、丸根、大高を側に....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
え、また剣術も知らなくっちゃア出来ず、それに私ゃア馬が誠に嫌えだ、稀には随分|小荷駄に乗かって、草臥休めに一里や二里乗る事もあるが、それでせえ嫌えだ、矢張自分で....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
駄賃として残らず牛方どもへ下さるよう、今後御取り極めありたきこと。 一、通し送り荷駄賃、名古屋より福島まで半分割の運上引き去り、その余は御刎ねなく下されたきこと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
雑兵、歩人等を入れると、千人以上の人を動かした。軍馬百五十頭、それにたくさんな小荷駄を従えた。陣太鼓と旗十三、四本を用意した。これはただの落ち武者の群れではない....
賭博の負債」より 著者:田中貢太郎
徳化県の県令をしていた張という男は、任期が満ちたのでたくさんの奴隷を伴れ、悪いことをして蒐めた莫大な金銀財宝を小荷駄にして都の方へ帰っていた。 華陰へきた時、先発の奴僕どもは豚を殺し羊を炙っ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
《ちまた》となった。当時の武士、喧嘩《けんか》商買、人殺し業、城取り、国取り、小荷駄取り、即ち物取りを専門にしている武士というものも、然様然様チャンチャンバラば....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かなかったのは無理もないが、七兵衛の方で竜之助に気のつかなかったのは、竜之助が小荷駄《こにだ》の馬の蔭に見えがくれであったのと、一つには無腰《むこし》であったか....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
り信濃に入り、善光寺に休憩。折から栗の季節であるから、栗ヨーカンを食ったのち、大荷駄と五千の兵を善光寺に残し、余は小荷駄と八千の兵を率いて川中島を横切り、妻女山....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
とそっちから行列が、だんだんこっちへ近寄って来た。馬が五頭駕籠が十挺、それから小荷駄を背に負った、十数人の人夫達で、外ならぬ「別荘」の家族連であった。今|移転し....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
来た土人軍の五十人が先頭に立って、進む後から、白人の一団が進んで行く、その後を小荷駄の一隊が五十人の土人軍に守られて粛々として歩をすすめる。数百年来人跡未踏の大....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
わった。祖父は野武士の首領で、大田切小田切の間に出没していた。それが上杉謙信の小荷駄方に紛れ入って、信州甲州或は関東地方にまで出掛け、掠奪に掛けては人後に落ちな....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
あったかも知れぬ。あの絶頂に登りつめて瞰おろしたら、四里四方の敵軍は眼の下で、小荷駄を運ぶ馬の鬣毛のそよぐまでもありありと窺わるるのじゃ。それほどの構えをしたこ....