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莓
「莓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
莓の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
顔は天使のように、ふっくりして、黄色い薔薇《ばら》の感じでありました。唇は小さく
莓《いちご》のように真赤でした。目は黒く澄んで、どこか悲しみをたたえていました。....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
に絹足袋《きぬたび》の底を煖《あたた》めるところにある。夏は氷盤《ひょうばん》に
莓《いちご》を盛って、旨《あま》き血を、クリームの白きなかに溶《とか》し込むとこ....
「行人」より 著者:夏目漱石
とうとう笑いかけた。
「風呂ですか」
「いいえ、いないの」
下女が来て氷の中へ
莓《いちご》を入れるかレモンを入れるかと尋ねた。
「宅じゃもう氷を取るんですか」....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
僕は、憂鬱になり、腹立たしくなった。 「俺れんちにも、こんな蕨や、いたどりや、野
莓がなんぼでもなる山があるといゝんだがなア。」 ふと、心から、それを希ったりし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
みを潜《くぐ》り潜り歩いて行くのだから、水にも遠くなる。水、水というけれども、木
莓《きいちご》一株を見つけ出してさえ、十一人の眼の色が変るくらいですから、その腹....
「からたち」より 著者:宮本百合子
をめぐって、細い通が通っており、その道を歩けばからたちの生垣越しに、畑のずいきや
莓がよく見えた。だから
莓の季節には、からたちの枝を押しわけて、子供が
莓盗人に這い....
「博物誌」より 著者:岸田国士
、なんてひどい風……! 添え木――わしが付いている。 ■ 木
莓――なぜ薔薇には棘があるんだろう。薔薇の花なんて、食べられやしないわ。 生簀....