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莞爾
「莞爾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
莞爾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
子を揃えて、近づいただけ音を高く、調子が冴えてカタカタカタ! 「蛙だね。」 と
莞爾した、その唇の紅を染めたように、酸漿を指に取って、衣紋を軽く拊ちながら、 「....
「海異記」より 著者:泉鏡花
名を小烏の三之助、数え年十三の大柄な童でござる。 掻垂れ眉を上と下、大きな口で
莞爾した。 「姉様、己の号外だよ。今朝、号外に腹が痛んだで、稲葉丸さ号外になまけ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
手なんです。その手に縋って、海の中に活きられると思ったのです。 公子 (聞きつつ
莞爾とす)やあ、(女房に)……この女は豪いぞ! はじめから歎いておらん、慰め賺す....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
「お師匠さん、」 女房前垂をちょっと撫でて、 「お銚子でございますかい。」と
莞爾する。 門附は手拭の上へ撥を置いて、腰へ三味線を小取廻し、内端に片膝を上げ....
「女客」より 著者:泉鏡花
、その(憚り様ね)を、端書を読む、つなぎに言ってるのね。ほほほほ。」 謹さんも
莞爾して、 「お話しなさい。」 「難有う、」 「さあ、こちらへ。」 「はい、誠に....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、美しい女である事に、松崎も心附いて、――驚いて楽屋へ遁げた小児の状の可笑さに、
莞爾、笑を含んだ、燃ゆるがごときその女の唇を見た。 「つい言ッちまったのよ。」 ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
飛んだ御無理をお願い申して。」 女房は崩れた鬢の黒い中から、思いのほか白い顔で
莞爾して、 「私どもでは難有いんでございますけれども、まあ、何しろ、お月様がいら....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
た。 「ああ、やっと、思出した……おつまさん。」 「市場の、さしみの……」 と
莞爾する。 「おさらいは構わないが、さ、さしあたって、水の算段はあるまいか、一口....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
房の膝の方へは手も出さず、お嬢さんは、しとやかに、 「その作者が、贔屓?」 と
莞爾した。 辻町糸七、よく聞けよ。 「は?……」 貸本屋の客には今までほとん....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
襖を開けて、旅館の女中が、 「旦那、」 と上調子の尻上りに云って、坐りもやらず
莞爾と笑いかける。 「用かい。」 とこの八|畳で応じたのは三十ばかりの品のいい....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
い、あなた、もし御飯はいかがでござります。」 客は仰向いて、新に婆々の顔を見て
莞爾とした。 「いや、実は余り欲しくない。」 「まあ、ソレ御覧じまし、それだのに....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
じまりける。 「賢君、君の山越えの企ては、大層帰りが早かったですな。」 少年は
莞爾やかに、 「それでも一抱えほど山百合を折って来ました。帰って御覧なさい、そり....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
。」 「呼びました、喚いたんで、かりん糖の仮声まで使ったんだけれど。」 お縫は
莞爾して、 「そんな串戯をするから返事をしないんだよ。まあお入んなさい、御苦労様....
「活人形」より 著者:泉鏡花
婦人の半身像にて、その愛々しき口許は、写真ながら言葉を出ださんばかりなり。泰助は
莞爾として打頷き、「犯罪の原因と探偵の秘密は婦人だという格言がある、何、訳はあり....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
して取敢えずこのまま世に出すこととした。 昭和十六年四月八日 於東京 石原
莞爾 昭和四年七月長春に於ける講話要領 昭和十三年五月新京に於て訂正 昭和十五年....