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莫逆の友
「莫逆の友〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
莫逆の友の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「胡氏」より 著者:田中貢太郎
ですから」 主人は黙って聞いていたが、暫くして言った。 「僕と胡先生とは、もう
莫逆の友になっております、結婚なんかしなくてもいいでしょう、それに児は、もう許婚....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
家庭でも会い、師迷庵の許でも会って、幼い時から親しくなっていたであろう。また後に
莫逆の友となった小島成斎も、夙く市野の家で抽斎と同門の好を結んだことであろう。抽....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
であったので、「デーモンとピシアス」という語は、漢語における管鮑の交、刎頸の友、
莫逆の友即ち親友を意味すること、「ジーキルとハイド」が二重性格を意味するようなも....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
りませんか。 夫人は御承知でしょうが、シュテッヘ大尉は、フォン・エッセン閣下の
莫逆の友でありまして、同じ快走艇倶楽部でも、シーワナカの支部に属しておりました。....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
に命じながら主公出で来られぬ。座を下りて平伏すれば、「イヤ御遠慮あるな伯父ごとは
莫逆の友なり、足下の事は書中にて承知致したり、心置きなくまず我方に居られよ」と快....
「魔都」より 著者:久生十蘭
いう劇しいのもいた。いうだけ野暮のようなものだが、これはジョン・ハッチソンとその
莫逆の友ルイ・バロンセリの二人でデッチ上げた芝居なので、これについてはまだ書くべ....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
でドロンゲームになったが、後にこの二人は某侯の御前で出会して、本名を名乗り合って
莫逆の友となった……というような話が「常山紀談」に載っている。 外国は知らず、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「それとも、何ぞご不服か」 すこし感情を害したらしく、わけて無二斎とは生前|
莫逆の友だったという内海孫兵衛丞などは、 「そんな法やある」 といわんばかりな....
「三国志」より 著者:吉川英治
れ、同時に暇を乞うて、綿竹関へひとたびかえった。 綿竹関の大将|費観と彼とは、
莫逆の友である。すなわち李厳は、この友に、玄徳の高徳を説いた。 「君がそれほど賞....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
春山禅師 と微かに読まれた。 何と往生日のよい和尚であろうか。生前武蔵と
莫逆の友であったというこの和尚は、武蔵の死後二十七年目の正月元旦に死んだものとみ....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
で、奥へ立ちながら、刑部は、 「はて?」 と、考えていた。 三成と刑部とは、
莫逆の友である。――佐和山と、敦賀とは離れていても、心はお互いに常に近かった。 ....