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莫連
「莫連〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
莫連の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ろ米国航路に勤務中、かつて木部孤※に嫁《か》してほどもなく姿を晦《くら》ましたる
莫連《ばくれん》女某が一等船客として乗り込みいたるをそそのかし、その女を米国に上....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
、主殺しの罪から、絶えず良心の苛責を受けていた。が、けんぺき茶屋の女中上がりの、
莫連者《ばくれんもの》のお弓は、市九郎が少しでも沈んだ様子を見せると、 「どうせ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うべきものである。 「蟹のお角という女は、だんだん調べてみると札付《ふだつ》きの
莫連《ばくれん》もので、蟹の彫りものは両腕ばかりでなく、両方の胸にも彫ってあるの....
「うつり香」より 著者:近松秋江
頬を紅く光らして照れたように笑った。が、その、ちょっとした笑い方が何ともいえない
莫連者らしい悪性な感じがした。 それっきり私はしばらく黙ってまた独りで深く考え....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を鳴らして聞いた。彼女の義兄も村に人望ある方ではなかったが、彼女も村では正札附の
莫連者で、堅い婦人達は相手にしなかった。村に武太さんと云う終始ニヤ/\笑って居る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
という某《なにがし》の俳優の妻も、許した限りの男の定紋をほりものにして肌に刻んだ
莫連者《ばくれんもの》――
蛇責めにあったという反逆の女性。
すでにかくの如....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、普通の女ではないということはわかりきっている。つまり、煮ても焼いても食えない
莫連者《ばくれんもの》であるか、そうでなければ、その道のいわゆる玄人《くろうと》....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に暮らすことができるようになったのだから、お藤の喜びようったらありませんでした。
莫連者《ばくれんもの》の大姐御でも、恋となれば生娘《きむすめ》も同然。まるで人が....
「死の前後」より 著者:豊島与志雄
、可哀そうだという気持で、而もそこに朗かに立ってる彼女は、一寸したことで、ひどい
莫連に向うか生真面《きまじめ》に向うか、どうせ中途半端ではすみそうもない、危い瀬....
「千代次の驚き」より 著者:豊島与志雄
ら。そう思って、ふとしたきっかけから、静葉さんにたずねてみました。以前はそうとう
莫連をした人で、今では、島村さんという旦那とも岡惚ともつかない一人のひとを守って....
「庶民生活」より 著者:豊島与志雄
、少し見習ったらどうだい、と言い出すと、もうむくれ返って、どうせわたしは不親切で
莫連だとがなり立て、大喧嘩になるのが落ちです。どうもわたしのところでは、内山さん....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
あるからであった。 「よしお北さんが飯盛りでも、宿一番の名物女、越後生まれの大|
莫連、侍衆か金持ちか、立派な客でなかったら、座敷へ出ぬという権高者、なるほどお前....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
、よい辰の座敷を借りることにしたのだそうでございます。お春というのも芸者あがりの
莫連者ですから、自分も男の仲間にはいって一緒に勝負をしていたそうです。親父のよい....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
は、今日までの記録では、不良少女のようにいわれているけれど、そうした留女のような
莫連女《ばくれんおんな》と同棲したからこそ美妙は、錦子のモダンな性格が一層|慕《....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
概ガウンを羽織り、伯爵夫妻とでもいうような寛な足取りで通って行く。次に誰の眼にも
莫連女と知れる剥き出しの胸や腕に宝石の斑張りをした女が通った。何れドーヴィルスト....