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莽
「莽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
莽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
い小さな小豆を砕いた様な木の実だが、色々調べた結果、学名は日本産|大茴香、普通に
莽草又はハナシバなぞと呼ばれる木蘭科の常緑小喬木の果実であってな。シキミン酸と呼....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
何々小町とか何々乙姫とか呼ばれる娘は随分生れた。しかし、それが縁付くとなると、草
莽の中に鄙び、多産に疲れ、ただどこそこのお婆さんの名に於ていつの間にか生を消して....
「荷花公主」より 著者:田中貢太郎
に寄り、翌日水仙廟の後ろへ帰って行った。 簷を並べていた楼閣は影もなくなって榛
莽が一めんに繁っていた。彭はもし方角が違ったのではないかと思って、その辺を捜して....
「水莽草」より 著者:田中貢太郎
水
莽という草は毒草である。葛のように蔓生しているもので、花は扁豆の花に似て紫である....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て居る中央東線の鉄路を踏み切って更に北せねばならぬ。武蔵野に住んで武蔵野の豪宕|
莽蒼の気を領することが出来ず、且|居常流水の音を耳にすることが出来ぬのが、彼の毎....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
様がお城をきずくに、万人の百姓を苦しめました、しかも殿様は英雄とうたわれ百姓は草
莽の間につかれて死にます、清盛、頼朝、太閤、家康、諸君はかれらを英雄なりというで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ように、法燈赫々《ほうとうかくかく》、旗鼓堂々《きこどうどう》たる大流でなく、草
莽《そうもう》の間《かん》、田夫野人の中、或いはささやかなるいなかの神社の片隅な....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
山の南麓であって、その周囲を見れば荒野原、その一部分の雑木が斫《き》り倒され、榛
莽荊棘《しんもうけいきょく》が刈り去られてある。そのうちのある一部分に向って鍬《....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
せたような伝説は諸国にたくさんある。これもその一例であるらしい。 聊斎志異の水
莽草とは違って、この幽霊藻は毒草ではないということだ。しかしそれが毒草以上に恐れ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
兆なりとなす。例えば、『漢書』に、「哀帝建平二年、彗星の出ずるありしに、当時|王
莽、纂国の兆しとなせり」『後漢書』に、「安帝永初二年正月、大白昼見えしことあり。....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
しょう。私がここに書いて参りましたところを申しますると、『漢書』哀帝建平二年、王
莽が漢室を奪ったときに彗星が現出し、『後漢書』安帝永初二年正月、大白星昼現れたる....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
、いつの間にか、土地がシャスタ・シチイと改名せられて、あたらシッソン翁の名は、草
莽の間に埋められようとしている(あたかも富士山の役行者の名が、今日忘られかけて、....
「放水路」より 著者:永井荷風
あるが、今日そのあたりには埋立地に雑草のはびこる外《ほか》、一叢《ひとむら》の灌
莽《かんもう》もない。境川は既に埋められてその跡は乗合自動車の往復する広い道にな....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
仏、林語堂、魯迅などで人権同盟というものができて、蒋介石にたてついた。ついには白
莽、柔石等の魯迅の弟子の若い人たちがいっぺんに六人まで殺された。魯迅初め皆んなが....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
れた、平地というても唯山裾の傾斜が緩くなったというだけで、大小の岩塊が錯列して灌
莽が叢生している。雪崩の押した跡らしい、上の方に赭い崩れが見える。其処の水際の木....