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菁
「菁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
るその原には、桐《きり》の木やアカシヤなどが、昼でも涼しい蔭を作っていた。夏草が
菁々《せいせい》と生繁《おいしげ》って、崖のうえには新しい家が立駢《たちなら》ん....
「虚構の春」より 著者:太宰治
果てた広い草原です。ここかしこ日は照ってはいましょう。緑色に生々と、が、なかには
菁々《せいせい》たる雑草が、乱雑に生えています。どっから刈りこんでいいか、ぼくは....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
を黙って見つめていた。日が暮れて東の風がだいぶ吹き出したらしい。軒にかけてある蕪
菁《かぶら》の葉が乾いた紙を揉《も》むようにがさがさと鳴った。 「風が出たようだ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
なわなければならないのであった。こういうふうにして、庭の草をむしりながらでも、蕪
菁を切りながらでも、またはお茶をくみながらでも、いくつもいくつも重要な論議が次か....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
儂ならあの三叉箭が、裏庭の蔬菜園から放たれたのだと云いますがな。何故なら、今は蕪
菁の真盛りですよ。矢筈は蕪
菁、矢柄は葭――という鄙歌を、たぶん貴方は御存じでしょ....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
、全軍が敵軍に当った。しかし精しいことは分らない) 越軍は先鋒柿崎和泉守が大蕪
菁の旗を先頭に一隊千五百人が猛進をはじめ、午前七時半頃水沢の西端に陣取っていた武....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
年度の木曾福島ではない。創立のはじめに渡辺方壺を賓師に、後には武居用拙を学頭に、
菁莪館の学問を誇ったころの平和な町ではない。剣術師範役|遠藤五平太の武技を見よう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を植えた畑をつぶしてもいいから、作《さく》をつくりなさい、蕎麦《そば》、大根、蕪
菁《かぶら》、にんじんなどをたくさんお作りなさい、粟《あわ》、稗《ひえ》、大豆な....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
だ帽子のようになっていた。彼女は籠の上に腰をかけ、黄色いたまねぎや小さな薄赤い蕪
菁《かぶら》や青いいんげん豆や真赤《まっか》な林檎《りんご》などの山を前にし、売....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
stgrnogrkzutu xi.
中世の医者らが、人蔘《にんじん》や大根や蕪
菁《かぶら》のことを、opoponach, perfroschinum, rep....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
世間の広き事国々を見めぐりてはなしの種をもとめぬ」とあって、湯泉に棲む魚や、大蕪
菁、大竹、二百歳の比丘尼等、色々の珍しいものが挙げてある。中には閻魔の巾着、浦島....
「言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
ぶり」「かぶ(株)」「かぶ(頭)」「くぶ(くぶつち)」「こぶ(瘤)」「かぶら(蕪
菁)またかぶ」「かぶら(鏑)」「こむら(腓)」「こむら(※ マレイの kpala....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
護謨の新原料 近頃|葡国領西部アフリカで発見された一種の植物の球根は丁度|蕪
菁のような格好をしているが、その液汁中には護謨を含み、これを圧搾して酒精で凝らせ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
下して、さめてから器に入れて置きます。単膏という札が貼ってあります。水銀とか、芫
菁とか、それぞれ薬を入れて煉るのです。よく膏薬|篦といいますが、なかなかしっかり....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
がなくなってしまうです。折から野原は一時に青草で満たされ、そうしてその間に緑葉|
菁々と生い茂るのであるから、人の心も何となく長閑になって野外の散歩を試みずには居....