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菊
「菊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
になって燃え上ってしまう。炎の下火《したび》になった後《のち》、そこに開き始める
菊の花が一輪。
菊の花は石燈籠の笠よりも大きい。
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「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
る。彼の書斎には石刷《いしずり》を貼《は》った屏風《びょうぶ》と床にかけた紅楓黄
菊《こうふうこうぎく》の双幅とのほかに、装飾らしい装飾は一つもない。壁に沿うては....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
の中にしみじみこの折目のついた十円札へ目を落した。鼠色の唐艸《からくさ》や十六|
菊《ぎく》の中に朱の印を押した十円札は不思議にも美しい紙幣である。楕円形《だえん....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
くりした歩調で歩みよると、
「じゃこの芳年《よしとし》をごらんなさい。洋服を着た
菊五郎と銀杏返《いちょうがえ》しの半四郎とが、火入《ひい》りの月の下で愁嘆場《し....
「河童」より 著者:芥川竜之介
だけなのですから。それらの原料は機械の中へはいると、ほとんど五分とたたないうちに
菊版《きくばん》、四六版《しろくばん》、
菊半裁版《きくはんさいばん》などの無数の....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
若竹へ通った時分だって、よしんば語り物は知らなかろうが、先方は日本人で、芸名|昇
菊《しょうぎく》くらいな事は心得ていたもんだ。――そう云って、僕がからかったら、....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
若《も》し又多少でも僕等の間に不評判になっていたとすれば、それはやはり同室だった
菊池寛の言ったように余りに誰にもこれと言うほどの悪感を与えていないことだった。…....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いました。買って貰っちゃいけないんですか?」
姉は頭へ手をやったと思うと、白い
菊の花簪《はなかんざし》をいきなり畳の上へ抛《ほう》り出した。
「何だ、こんな簪....
「死後」より 著者:芥川竜之介
づめ屋の前に立ち止った。
「じゃ僕は失敬する。」
缶づめ屋の店には薄暗い中に白
菊が幾鉢も置いてあった。僕はその店をちらりと見た時、なぜか「ああ、Sの家は青木堂....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
かったとすれば、啓吉もさほど楽々とは誘惑の外に出られなかったかも知れない。
註
菊池寛氏の「啓吉の誘惑」を見よ。
処女崇拝
我我は処女を妻とする為に....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
い。それは××胡同《ことう》の社宅の居間《いま》に蝙蝠印《こうもりじるし》の除虫
菊《じょちゅうぎく》が二缶《ふたかん》、ちゃんと具えつけてあるからである。
わ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は
菊池寛と一しょにいて、気づまりを感じた事は一度もない。と同時に退屈した覚えも皆無....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
の人間的興味の後には、屡如何にしても健全とは呼び得ない異常性が富んでいる。これは
菊池が先月の文章世界で指摘しているから、今更繰返す必要もないが、唯、自分にはこの....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
なかった、或は与える才能に乏しかった、と云う事実を指したのであろう。この意味では
菊池寛も、文壇の二三子と比較した場合、必しも卓越した芸術家ではない。たとえば彼の....
「合理的、同時に多量の人間味」より 著者:芥川竜之介
菊池なぞは勿論、前者に属すべき芸術家で、その意味では人生のための芸術という主張に....