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「菊の花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

菊の花の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
になって燃え上ってしまう。炎の下火《したび》になった後《のち》、そこに開き始める菊の花が一輪。菊の花は石燈籠の笠よりも大きい。 76 ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いました。買って貰っちゃいけないんですか?」 姉は頭へ手をやったと思うと、白い菊の花簪《はなかんざし》をいきなり畳の上へ抛《ほう》り出した。 「何だ、こんな簪....
或る女」より 著者:有島武郎
一|間《けん》半の大床《おおとこ》の間《ま》に飾られた大|花活《はない》けには、菊の花が一抱《ひとかか》え分もいけられていて、空気が動くたびごとに仙人《せんにん....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
けれど、民子は聞えないのかさっさと先へゆく。僕は一寸|脇《わき》へ物を置いて、野菊の花を一握り採った。 民子は一町ほど先へ行ってから、気がついて振り返るや否や....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
沙金の包七十|袋。量目約百万両。閻浮檀金十斤也。緞子、縮緬、綾、錦、牡丹、芍薬、菊の花、黄金色の董、銀覆輪の、月草、露草。 侍女一 もしもし、唯今のそれは、あの....
薬草取」より 著者:泉鏡花
い処ですから、菖蒲、杜若、河骨はござんせんが、躑躅も山吹も、あの、牡丹も芍薬も、菊の花も、桔梗も、女郎花でも、皆一所に開いていますよ、この六月から八月の末時分ま....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
いや、湯女に見惚れていて、肝心の御婦人が後れました。もう一人の方は、山茶花と小菊の花の飛模様のコオトを着て、白地の手拭を吹流しの……妙な拵だと思えば……道理こ....
南地心中」より 著者:泉鏡花
服装は皆黒いのに、一ツ鮮麗に行く美人の姿のために、さながら、市松障子の屋台した、菊の花壇のごとくに見えた。 「音に聞いた天満の市へ、突然入ったから驚いたんです。....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
迄もなく田野と市街と城下を巻いた海である。荒海ながら、日和の穏かさに、渚の浪は白菊の花を敷流す……この友禅をうちかけて、雪国の町は薄霧を透して青白い。その袖と思....
化鳥」より 著者:泉鏡花
ゅうございます)ッてそう謂つたの。僕、ほんとうにそう思ったの、お庭にね、ちょうど菊の花の咲いてるのが見えたから。」 先生は束髪に結った、色の黒い、なりの低い巌....
余齢初旅」より 著者:上村松園
時というお約束だったので早速出かけた。 汪精衛閣下の応接間は非常に広い部屋で、菊の花がとても沢山咲き匂うていた。幾鉢も幾鉢も大きな鉢植の菊が、黄に白に咲き薫っ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
くないことも無いのであった。 しかるに重体の死に瀕した一日、橘之助が一輪ざしに菊の花を活けたのを枕頭に引寄せて、かつてやんごとなき某侯爵夫人から領したという、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
たろうと思う月明りの中に、曲角あたりものの気勢のするのは、二階の美しいのの魂が、菊の花を見に出たのであろう。 女房はフト心着いた。黙って帰して、叱られはしまい....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
つま屋と名づくるのが、また不思議に貝蛸の小店に並んでいて、防風芹、生海苔、松露、菊の花弁。……この雨に樺色の合羽占地茸、一本占地茸。雨は次第に、大分寒い、山から....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
り。 桃李開時去夢、一月送迎春夏秋。 (桃やすももの花咲くときに故郷の丘を去り、菊の花のしぼむ日に豪州にいる。自分でも驚くのだが旅客としての歳月は夢のごとく、一....