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菊水
「菊水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菊水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「未帰還の友に」より 著者:太宰治
しげ》になるつもりだなどと書かれているだけであった。僕はすぐに返事を書き、正成に
菊水の旗を送りたいが、しかし、君には、
菊水の旗よりも、菊川の旗がお気に召《め》す....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
は無事。それから東へ行って北長狭の辺、三宮の辺が焼けていた。県庁は残っているが、
菊水は空し。惜しいことだ、あのコレクションは。さらに東へ行って元神戸一中に至るあ....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
一大敵国をなして居るわけだ。 正平二年七月、畿内の官軍は本営を河内東条に移し、
菊水の旗の本に近畿の味方を招集し始めた。即ち北畠親房、四条|隆資等の共同作戦計画....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
美しい封筒が飾窓に出ている。だらだらと京極の街を降りると、横に切れた路地の中に、
菊水と云ううどんやを見つけて私達は久し振りに明るい灯の下に顔を見合せた。私は一人....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
厭だから、是非何処か、お前の知った他の待合にしてというと、それではこれ/\の処に
菊水という、桜木ほどに清潔ではないが、私の気の置けない小い家があるから、と、約束....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
天君泰然百體從令、心爲形役乃獸乃禽という二本の聯がかかって居り、書院のランマには
菊水の彫があります。いつかここへ来たときこの室のことを書いたと思います。が今は、....
「ゴルフと「悪い仲間」」より 著者:坂口安吾
る」と云ってボクをおどかしたのである。しかし奴のユーレイはでなかった。 十七日
菊水よりパイプの原木送ったという通知あり。ブライヤーの原木だ。手製のパイプをつく....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
箭を納めたところの、調度掛が置いてあったことが、正次の眼を驚かせた。しかも定紋は
菊水であった。 「ム――」と何がなしに正次は唸って、調度掛の前へいざり寄った。 ....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
た封筒が飾窓に出ている。 だらだらと京極の街を降りると、横に切れた路地の中に、
菊水と云ううどんやを見つけて私達は久し振りに明るい灯の下に顔を見合わせた。私は一....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
じわ》い「なるほどこれは妙な酒だ。まるで仙人の飲みそうなものだ。仙家《せんけ》の
菊水とでもいうようだね」小山の妻君も「私にも戴けますね、大層結構です」大原も「こ....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
見事なものがあります。好んで水に因んだものや、吉祥の徴を選びます。例えば鯉だとか
菊水などは前者で、打出の木槌や扇子の如きは後者の場合であります。煙で充分に燻り、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
中務ノ宮尊良と四条隆資が、二度のみ使としてこの地へ下って来たとき、特に下賜された
菊水紋の旗だった。 そも、
菊水の紋は、たれの考案になったものか。 流水は、正....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
言い渡されていた貝合図の下に駈けていただけである。 しかし、愛染堂の上に見える
菊水の旗は、ゆるやかに今、夕日ノ岡を西へ降って行き、一心寺や住吉街道の方面にもま....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
、まるで白刃のように新しい朝日に輝いていた。私の故郷にはこの川の水から造られた「
菊水」という美しい味をたたえた上品なうまい酒がとれた。 この磧からは私の住む寺....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
が立っている、夜など誠に美しい感じがしたもので、やはり今でもこの感じを夢にみる。
菊水煙草店も古いが、そのすじ向う?の江副煙草店が無くなったのは惜しいことである。....