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菊石
「菊石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
菊石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
が、良沢は、光沢のいい総髪の頭を軽く下げただけで、その白皙な、鼻の高い、薄|
菊石《あばた》のある大きい顔をにこりともさせなかった。 玄白は、毎度のことだっ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
いで、入門料に菓子折を添え、母に連れられて学校の格子戸をくぐった。先生は色の黒い
菊石面《あばたづら》で、お媼さんは四角い白っちゃけた顔の、上品な人で、昔は御祐筆....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ニヤニヤ笑いながら来るので、よく見たら家の息子だった。」 と。 父は色が黒くて
菊石《あばた》があったから、この上黒く干しかためた小僧だったら、どんなに汚なかっ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
。一つ五十金を路用にして、当分江戸をずらかることにしよう?
なんとしても、あの
菊石《あばた》の殿様にお艶さんを自儘《じまま》にさせることはできねえ!
どうも....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
が校長の前へ出された。白い四角な顔の、お習字を教える校長のお母さん、黒い細い顔で
菊石《あばた》のある校長、丸い色白の御新造《ごしんぞ》さんたちが、苦いお茶を出し....
「蛍」より 著者:織田作之助
いごと刺せという言葉がなぜか耳について離れなかった。 あとで考えれば、それは薄
菊石の顔に見覚えのある有馬という士の声らしく、乱暴者を壁に押えつけながら、この男....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
男があるのですよ」 と云ったのは、その中の、絹商人だという三十八、九の、顔に薄
菊石のある男であった。 「お侍さんですがね、若い頃に、あるお屋敷へ、若党として住....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
路の奥にあった。お色は煤けた格子戸を開けた。 「ちょいと喜介どん、頼まれて頂戴」
菊石面の四十男、喜介がヒョイと顔を出した。「へいへいこれはお色さん」 「これをね....
「魔像」より 著者:林不忘
とも、もうすこし日和《ひより》を見ようか――坊主頭を頭巾《ずきん》に包んで、うす
菊石《あばた》のある大柄な顔をうつむかせた長庵、十|徳《とく》の袖に両手を呑んで....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
おやすさんの二人。 その当時は、廿四、五だった、色白の、すらりと身長の高い、薄
菊石《うすあばた》のある、声の好い、粋なおやすさんが、もう六十五、六になって、須....
「魔都」より 著者:久生十蘭
つき従うのは件の伝次。
野毛山の親分というのは年齢のころ六十一二、赭ら顔の薄|
菊石《あばた》のある大男で、右の眼の下に三日月の大きな傷痕がある。身の丈は五尺六....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
た、なぜ」 「なぜにもなにも、袖をひきちぎって、すっかり顔をつつんでおりまして、
菊石《あばた》やら、ひょっとこやら、てんで知れない」 「ふむ、……でも服装《なり....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
かったのがまだしもしあわせ。 ひょろ松というのは、むかしの弟子。あるいは手下。
菊石《あばた》も笑靨《えくぼ》で、どこに惚れこんだのか、こんなに成りさがっても、....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
いった。 そのあとは太鼓のかげの暗いところにしゃがんで待機していた坊主頭で大|
菊石《あばた》のある浅草亭|馬道《ばどう》という人が上がった。達者に「大工調べ」....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
たいがエロティシズムと尾籠なギャグのいと多い大阪落語ではあるが、昭和初頭に没した
菊石で面長だった長老桂枝雀も、一夕、なにかワイセツを言って、出演席ちかくの警察署....